山田家長女の私。【ヒプノシスマイク】

18話 ページ20

Aside



帰るとは言ったけど、家に帰れば一郎がいる。


こんな状態見られたら何を言われるかなんて目に見えてる。


とにかくイケブクロから離れたくて、スマホに入れたICカードの残金を使って、帰りの分を考えて来れるところまで来た結果、今ヨコハマにいる。


楓の服を借りて、私の荷物は汚れた制服を入れたこの袋だけ。


まだ昼だしお昼ご飯を食べ損ねてお腹も空いた。


けど、こんな状態で帰れば何があったと兄に問い詰められるのが落ちだ。


『…学校のことは知られたくない…』


同じ学校の二郎ですら知らないんだから。


家族にこのことを話す気は無い。


話した所で彼らは原因である自分を責めるだけ。




『…はぁ…困ったな…』


そんな考えが無限ループ。


お腹はなるし頭洗いたいしお金無いし。


いっそホームレスになってやろうかなんて考えていた。




「そこの貴方。見る限り学生ですよね？こんな時間にここで何を？」


下を向いていた顔を上げると眼鏡をかけてスーツを着た男の人が立っていた。



「それに…こう言ってはなんですが凄いにおいですよ。」


そりゃそーだ。嫌がらせ受けて牛乳頭から被ったんだから。


なんてこの人に言う訳もなく…。


『すみません、友達とふざけてたら牛乳被っちゃって。もう帰るんで大丈夫です。』


面倒なことにならないうちに立ち去ろうとすると腕を掴まれた。


『…あの、何ですか？』


銃兎「私は入間銃兎。これでも警察官です。少しお話をお伺いしても宜しいですか？」


眼鏡を指で押し上げる姿はとても様になっていて…


じゃ、ない。


警察なんてめんどくさい。


早く逃げないと…


『あの、ほんとに大丈夫ですので手を…』


「おい銃兎、いつまで待たせる…って、Aじゃねぇか。何してんだお前ら。」


離してください。

そう言おうとした時、久しぶりに聞く声が響いた。

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