五十六言目 ページ11
「「遅くなりましたっ!」」
部屋に入るなり二人で頭を下げると少しの間を置いて首領と姐さんの笑う声が聞こえた。
森「ほら、顔を上げなさい」
恐る恐る顔を上げると思っていたよりずっと首領はにこやかだった。
森「遅刻の理由は聞かないであげよう」
中也「良いンですか」
森「予想がついたからね」
首領がちらっと見た先にいる姐さんはニコニコと楽しそうに笑っていた。
姐さんが喋ったのか……。まぁ困る事じゃないけど。
森「それより、Aちゃんの補佐の件だが、許可するよ。情報の管理は続けてもらうけれど、それ以外は心配しなくていい。補佐に専念してくれ給え」
貴方「は、はいっ!」
中也「昨日あれだけ言い合ったのに、ですか」
森「此方も少し事情が変わってね」
はぁ、と不思議そうに返事をする中也を他所に首領は私に言った。
森「明日から補佐についてくれ給え。瑞希くんにはもう伝えてある。今日はもう準備をした方がいいだろう」
貴方「部屋を片付けろって事ですね」
森「そうだね。どうしても必要な物は中也くんの執務室に持って行くといい」
貴方「わかりました」
首領の部屋を出てとりあえず自分の部屋に向かう。
中也は違う話もしなければならないらしくまだ首領の部屋だ。
……念願の中也の補佐か。
いざそうなると変に緊張する。
あ、家にある珈琲を持ってきておこう。
銃は中也に預けとけばいいか。
他は特に私物ないからなぁ。
出してあった資料を仕舞ったり掃除をしたりしているとノック音が聞こえた。
本日大掃除の為急用以外は受け付けませんって外に張り紙したんだけどな……。
貴方「はーい、どうぞー」
入ってきたのはやっぱり菊池さんだった。
何でやっぱりかと言うとどうせ来るだろうと思ったから。
菊池「お土産を持ってきました」
貴方「お土産?」
菊池「ちょっと色々あって実家の方に行ってまして。そんなに遠い訳ではないんですけど、普段お世話になっているので」
差し出された袋を受け取って礼を告げる。
この人、本当に私の事好きなんだな……。
困ったな。
菊池「それで、上西さん。何時お暇ですか」
貴方「え、何時って?」
菊池「いえ、お食事でもと思いまして…」
私が答える前に扉の開く音がして振り返った。
入ってきた彼はただ一言珈琲、とだけ言ってソファーに座った。
貴方「あ、はい」
菊池「な、中原幹部…」
中也「まァ、手前も座れ」
珈琲を淹れながらその会話に何だかヒヤヒヤした。
何……?
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鶴媛(プロフ) - 紅野さん» わぁ!ありがとうございます!!お忙しいのに私の勘違いですみません!更新嬉しかったです、暑い日が続きますがどうかお体に気をつけてお過ごし下さい。 (2020年8月18日 1時) (レス) id: dda77e3f70 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 鶴媛さん» コメントありがとうございます。いえいえ!忙しくて更新が止まってしまっただけです!また空いてる時間で更新するのでご安心を…! (2020年8月18日 0時) (レス) id: b4d088780f (このIDを非表示/違反報告)
鶴媛(プロフ) - え、八十五話で終わりなんですか?かなり気になるところで終わってしまって少し残念に思います (2020年8月17日 4時) (レス) id: 5d76437753 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 橘明音さん» ありがとうございます。そう思ってもらえて良かったです。ゆっくりですが頑張りますね。 (2020年3月2日 11時) (レス) id: b4d088780f (このIDを非表示/違反報告)
橘明音(プロフ) - 最後のコメントありがとうございます。 私は受験終わったけど学校なくて本当に暇だったのでそう言って書いてくださること、本当に嬉しいです!更新楽しみにしてます。頑張ってください! (2020年3月1日 23時) (レス) id: 0fca2029db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅野 | 作成日時:2019年2月6日 15時