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欠けていく全て ページ29

「ゴーストの新しい名前が決まったんだ! その名もカンゴーム! はい言ってみて!」

 突然すぎて、声が出ない。
つまりあの黒い肌の宝石の名前はカンゴームに決まった、という事なのだろうが、なぜいきなりこの青緑はこんなに明るくなっているんだ。
それが不思議で、軽い恐怖を感じる。

 _まるで、入れ替わったようだな。
そんなくだらない事を考えたが、すぐにその考えを掻き消す。

「黙らないでよも〜! ほら、カンゴーム!」

眉が歪む。
これは言わなければ永遠に続くパターンだと察し、嫌々口を開いた。

「カンゴーム。」
「よーしよくできました!」

 なぜ俺がこいつに子供扱いをされているのだろうと疑問に思うと同時に怒りが浮んでくるが、それはすぐに沈んでいく。
怒ってもなにも無いと、自分が語り掛けてきたような気がしたのだ。

「……あれ、クリソコラちん雰囲気変わった?」
「気のせいだ。」
「えー…。とりあえずありがとねー! じゃあ僕はここで!」

 またなと返した後、一気に疲れが押し寄せてきて草の絨毯へと身を投げ込む。
さっきから心を蝕む感情の名は一体なんというのだろう。
とても悲しく、寒く、寂しい。そんな感情がずっと心に巣を作り居座っていた。
追い出そうとしても何故か追い出す事ができない。そのもどかしい感覚が嫌になり、目を背けるように瞼を閉じる。

 その時だった。寒気のする風が、頬を撫でたのは。



「ああ、この風も久しいな。」

 一気に瞼を開きハサミへと手を伸ばす、が。



バ_キッ



胴体は矢に射貫かれ、巨大な穴が開いてしまう。
急いで合金の手でハサミを掴み、放たれる矢をハサミで防ぎながら立ち上がる。
直後。月人はハサミで防げない足へと目的を移したのか、飛んできた二本の矢で両足は撃ち抜かれてしまった。


「……なんだか、疲れてきた。」

 口から合金が吐き出される。
このまま瞼を閉じて、月へと行けば何も考えずに済むのだろう。
そんな事を考えれば、瞼を閉じ、草の絨毯へと身体を預けた。
視界はブラックアウトし、意識も暗い海の底へと落ちていく。
自分の身体の破片が拾われ、月人が持つ器の中でぶつかり合う音が最後に耳へと入ってきた。



 最後に頬を流れたのはなんだったのか。
この先、答えがわかることはきっとないだろう。

薄浅葱は月で心を枯らす→←青は言う



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作者名: | 作成日時:2018年6月3日 20時

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