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第二十話 赤○side ページ21

「光樹……?」

声をかけても光樹は手を引きただ黙々と進んでいくだけだった。どこへ連れていく気なのか、何をする気なのか、何を言われるのか、不安になるたび繋がれた手が安心をくれた。僕はなぜだか沈黙が心地よかった。この時間がずっと続いたっていいとさえ思った。
誰もいない夜の公園で光樹は立ち止まる。二人で上がった息を整えつつ夜空を見上げた。どのくらいそうしていたかわからないけれど、唐突に光樹が言葉を発した。

「……すっげきれいな月だね」

"月が綺麗ですね"とその有名なフレーズが頭をよぎり混乱する、と同時に期待もした。

「あ、いや、その、深い意味はないんだ!」

期待したのに直後否定されて、僕は少し寂しかった。それが顔に出ていたのだろうか光樹は意味もなく謝る。

「ごめん、なんかごめん」

謝ることはないんだよ。光樹は悪くない。勝手に期待した僕が勝手に寂しがっただけ。
でも、ここで引いたら、もうチャンスはない気がして、なんとなくそう思ったから。

「光樹、」

そこに確かに君がいることを手先の温度で実感する。ずっとこぼれそうになっていた思いがさらさらと溢れ出す。

「"月が綺麗ですね"」

微笑んだつもりだったが笑えていただろうか、緊張で声が震える。

「僕は、深い意味があって言っているよ」

そうだよ、光樹。僕は君が好きだ。大好きだ。緊張に恥ずかしさも加わって心臓が激しく音を立てる。冷静なふりをしたって声色ばかり強がったって、隠せそうもないほどにどきどきしている。

「ねぇ、光樹」

光樹をぐっと引き寄せて反対の手も握った。

「光樹は、僕のこと、好きじゃないの?」

第二十一話 降旗side→←第十九話 降旗side



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設定タグ:黒バス , 降旗光樹 , 赤司征十郎   
作品ジャンル:アニメ
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ゆいち(プロフ) - 星覇みこさん» コメントとご指摘ありがとうございます!フラグ立てておきました (2014年10月21日 20時) (レス) id: c9180f04a4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいち(プロフ) - 柚樹@コチョウラン(*∂ω∂)アキちゃん廃。さん» コメントありがとうございます!ご指摘ありがとうございますフラグ立てておきました。赤降尊いです(´ー`*) (2014年10月21日 20時) (レス) id: c9180f04a4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいち(プロフ) - 立野谷真さん» コメントありがとうございます(^^)頑張って更新しますのでよろしくお願いします! (2014年10月21日 20時) (レス) id: c9180f04a4 (このIDを非表示/違反報告)
星覇みこ(プロフ) - 一応BのLなので、18禁フラグ立てた方がいいと思います。せっかくいい作品なのに、違反報告されてしまうともったいないですから… (2014年10月21日 20時) (レス) id: 80a9ba8abd (このIDを非表示/違反報告)
柚樹@コチョウラン(*∂ω∂)アキちゃん廃。(プロフ) - 赤降好きさんですか!?最高ですよね!可愛いです//←本当に最近メジャー?になってきて嬉し寂しいですwwですが腐 向けなのでフラグをたてていただきたいです!!たててください!美味しいのありがとうございます←← (2014年10月21日 19時) (レス) id: 8824f7f364 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆいち | 作成日時:2013年12月14日 12時

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