来世で会えたら会いましょう！！！【あんスタ】

３２day ページ33

瀬名 泉side


『ねぇ泉』


「なに」


『もし私から告白されたらどう思うか五十字以上六十字以内で答えよ』


「断る」


『それ五十字以上かな、ねぇ』



今、一つだけ嘘をついた。



自分でもこいつのことどう思ってるかわからない。



だけど、告白は絶対に断らない、気がする。



…ねぇ衣更。


Aに告白したのはあんた？


だからこんなに顔が真っ赤なの？だからAは告白とか言い出したの？



…でもはっきりと分かることは、この前あんずに頼んだ伝言の、


「近づくな」


それは「自分のものをとられる」のを防ぐための独占欲だったのかもねぇ。



『ねぇ泉ー、聞いてるー？今日ソファと机に追い詰められる夢みてさぁ』


「ねぇA」


『ん？泉も見たのー？そうかそうか』


いや見てないけど。俺が見てた夢はゆうくんがデレる夢だけどぉ。


「…変な男に言い寄られてたら言いなよぉ？脊髄反射で守ってあげる」


『せ、せきずい…？怖い怖いどうしたの』


つくづく自分が曲がってるな、と思う瞬間って、こういう時だよねぇ。


「…まぁAはおばかさんだから、変な男もそうじゃないのも見分けつかないかぁ。」


『うるせぇ！少なくともみかちゃんは変な男じゃねぇ！！』


そう言って走り去っていくAの背中を見ていた。


「みかちゃん？


…へぇ、面白いじゃん〜？」


ただ、とられたくないだけ。


自分のものでもなんでもないけど。


でも今の関係で満足してるわけじゃない。


あいつの、Aの中で、特別な存在になりたい。


でも、今以上の関係になって今以上想ってしまったら。


(…失った時のショックに耐えきれないから)



だから今日も知らないふりなんて、



「…あぁ、イライラするほど情けないよねぇ…」


ねぇ、衣更。分かるよねぇ、ショックの大きさ。それで伝えられない俺の気持ちも。


この前あいつに言われた言葉も思い出しちゃう。


「行動しなきゃ変わらない…かぁ」


この気持ちに名前をつけるなら___



(…あぁ、なに考えちゃってんのぉ。寒気がする。あいつのことなんて、何とも思ってない、ただそれだけなのに)



「…ちょーうざぁい」


今の言葉は、自分に向けた「ちょーうざぁい」でもあるのかもねぇ？


，



「泉ちゃん、おはよぉ」


「ん、あぁ、なるくん」


「あら？少し顔が青いわよぉ？寝不足？」


「俺らしからぬこと考えちゃって寒気がしただけぇ！」

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