22片 ページ24
「そういえばお前は魔道士だったかしら？」
手に持っていたティーカップを机に置いて玉艶という女性は真顔で言葉を続ける
「見せてご覧、その力を」
.
.
.
唐突に錫杖を渡され
どうすることも出来ない
「私ずっと眠っていて、体力が元に戻っていなくて魔法は…」
「眠っては居ても体力は変わっていないでしょう？」
…えっ？
「まさか、お前は気づいていないのかしら？」
カツカツと床を鳴らして近付いてくる彼女の手が私の手を取る
「これのせいよ」
ニヤリと口角を上げたかと思うと
彼女の手が私の手をグッと握り締めた
すると手の甲の表面に
変な紋様が浮かぶ
そして彼女は紅い紋章だけを
粉々に握り潰したのだった
途端に身体中がぶわっと熱を持つ
「さぞ苦しかったでしょうねぇ…」
「なに…これ…」
「醜い男の首輪を外したってとこかしら」
まさか…シンドバッド？
口元を袖で覆って
クスクスと彼女は嗤う
「なかなか見込みがあるわねぇ」
真っ黒に染め上げて仕舞おうかしら。
耳元で妖艶な声が響く
「
「ふふふっ…良い攻撃。でも＿＿＿＿＿＿＿」
黒い煙の中から現れたのは
ボルグに身を包み嘲笑を浮かべる玉艶。
「お前の攻撃はまだまだ甘すぎるのよ」
「なにをっ…！！」
踏み出そうとした足が
縫いつけられたように動かない
体が悲鳴を上げて
思わず片足を床に着く
＿＿＿＿7型の力魔法だ。
「でも、鍛えれば伸びそうね」
鍛える…？
「貴方…何が望みなの？」
問いを聞くと
彼女は大きな瞳に私を写しながら
「さあ？」
と歪んだ笑顔を浮かべて見せた。
.
.
.
「…Aをどこへやった？」
「さあ。知らねえな」
鼻で笑い飛ばしたその刹那
シンドバッドの剣先が喉元を掠める
「また俺を殺すのか？」
「お前はレイルじゃない」
「俺は俺だ！！」
「黙れ」
地を這うような低い声に
右腕がカッと熱くなる
「…腕…がぁ、あっ…」
「安心してくれ。お前がAの居場所を吐くまで殺しはしない。
その四肢がなくなろうとも、死なせはしない。延々と拷問をしてやるさ」
狂気を煮詰めたような
濁った瞳には
あの日のように怯えた俺が映っていた
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紅妃(プロフ) - 完結おめでとうございます。いつも楽しみの一つにさせてもらっていました。これからの活動も応援しています。 (2018年3月14日 9時) (
レス) id: d4608e4b4b (このIDを非表示/違反報告)
はな - めっちゃおもしろいです！続き早く読みたい。。！！夜猫さん、この小説のことわすれないで〜〜〜ヾ(･ω･`;)ﾉ (2017年1月10日 19時) (レス) id: 6a8fed615c (このIDを非表示/違反報告)
月影みこと(プロフ) - すごくおもしろいです。続きがとても気になります。応援してます！ (2016年11月21日 23時) (レス) id: 9705d14001 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜猫
| 作者ホームページ：https://twitter.com/tutimikado12113
作成日時：2016年10月11日 21時
