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No side
親子に安息の地などなかった。
「分かってるとは思いますが、契約はあくまで1年。それ以上は難しいですからね。」
「ありがとうございます…！住まわせて頂くだけで有難いです！本当にありがとうございます…！！ほら、Aもお礼を言いなさい。」
「なんでお礼を言わなくちゃいけないの？」
「え？」
「お金も多く払ってるのに、なんでたくさんお礼を言って頭を下げなきゃいけないの？普通の人はそんなことしないって私知ってるよ。ねぇ、どうして？私たち──普通じゃないの？」
「──ッA！！！」
叫びにも似たその声に、幼い女の子は堪らず泣き出した。
「娘がすみません…！！すぐ泣き止ませますので…！」
「いや、いいんだよ…。」
可哀想にね
最後に聞こえたその言葉は、この親子が一番聞きたくない言葉だっただろう。
「お願い、お願いよA。大人しくしてて…ね？」
「……うん。」
「良い子ね。」
本当のことを言わず本心を隠すことが、子供にとって“良いこと”だった。
「なにが悪い子なのか、わかんないよ。お母さん」
母親は何度も職を変えて、娘を養うために必死に働いていた。
市役所へ行きひとり親申請を申し込もうとした履歴が残っていたが、申請書だけ残して役所を後にしていた。
何があったかなんて、想像に難くない。
「俺はどうして“あの頃”気付いてやれなかったんだろう。」
親子についてまとめられた報告書を手に、スコッチの仮面を取った男は後悔の念に苛まれた。
だが、今更悔やんでも仕方がない。
「今度は絶対にあの子を助けてみせる。」
まずは一緒に潜入しているアイツと情報交換をして、それから策を練ろう。
そう、考えていた。
「やっと気付いてくれた。」
こちらの心を見透かしたように微笑む、Aに会うまでは
「なにを言ってるんだ？Aちゃん」
スコッチはにっこりとお手本のような笑顔を作るが、その目は全く笑っていない。
これ以上踏み込むな
拒絶することで自分を守ろうとしている彼の思いを、Aはひしひしと感じていた。
変わらないなぁ
「お兄さんは元気？…確か警察官だっけ」
「君はもっと賢い人間だと思っていたよ。」
スコッチは静かに拳銃を突きつけた。
向けられた銃口と底冷えするような冷たい目に臆することなく、Aは唇で薄く笑った。
「ひどいなぁ、私はずっと会いたかったんだよ。」
ねぇ、ひろ君。
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仮面タロウ(プロフ) - 深月さん» ですよね！！！夜の美術館とか似合いそうだなぁと思って書きました！いつかは夜のシチュエーションも書いてみたいですね(^^) (2022年8月21日 11時) (
レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
深月(プロフ) - ジン……！！！！休日に一人で美術館巡っているとか可愛すぎます！そして、わかりみが深いです、ジン美術館好きそう（笑）続き楽しみにしています。 (2022年8月16日 21時) (レス) @page44 id: 8da4958f2c (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - 小宮瑠璃さん» 嬉しい…！ありがとうございます！！ (2022年7月26日 22時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - あお。さん» コメントありがとうございます！現在元気に3股してます！笑 これから4になるのか、もっと増えるのかは乞うご期待！！ (2022年7月26日 22時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
小宮瑠璃 - 仮面タロウさん» めっさ楽しみですぅっ！！完結まで私はこの作品を推し続けます！！ (2022年7月25日 22時) (レス) id: dbce0c6b80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：仮面タロウ
| 作成日時：2022年6月28日 12時
