No.48*龍神邪炎 ページ18
葵side
「裏切り者って言うのは酷いな ホシ?」
「!!ふふ なんやロフ、えらい言うようになったやん」
貼り付けた笑みをこちらへ向けてくるのはホシ
彼女もまた昔の友人
「まぁええわ さっさと終わらせよか?」
『光射す夜』
急に眩い光が現れ、目が眩む
だが、これも計算の内
乱歩さんからの指示通りに治が動いていれば、恐らく無効化がされ──
「あぁ あんたら、ほんまに阿呆やわ」
無効化されるはずが、それは一向にこない
すると、治の焦った声が聞こえた
「なっ!葵!下がるんだ!!」
だが、時は既に遅し
光の玉のようなものが多数に飛んできた
避けれるものはなんとか避けるものの、全てを避けきれることはなく、
「ッ!!」
左頬、脇腹、右太腿を掠る
体制が少し崩れたところで、また一斉に玉が飛んできた
死ぬことはないだろうが、戦闘は不利になる
そう思ったが、私の体は宙に浮き、玉が当たることはなかった
「っ、大丈夫かい?葵」
「あぁ、すまなかった」
治に抱えられ、私達は木の影に隠れる
「なぁ治 お前、異能力使ったか?」
そう、これが一番の疑問
治の異能力無効化に例外はないはず
もし使ったのに効かなかったのならば、私達は圧倒的に不利だと言えるだろう
できれば、使う前に攻撃された、とでも言って欲しいのだが、
「あぁ、使ったとも」
やはり、現実はそう簡単にいかないらしい
「ってことは、ホシに異能力無効化は効かない……という事か」
または、
「異能力無効化は出来なくても威力を弱めることは出来るかもしれない」
「あぁ」
まぁ、どちらにしろこちらの状況は変わりない
それに、私の異能力を使えば、勝つことは出来るだろう
だが、その力が強ければ強いものほど私の体にかかる負担は大きくなる
もし、今強い力を使えば、先には進めない
そうなっては元も子もないのだ
だから、
「何か策を考えなければな」
「ふふふっ 何考えとんの〜?早う出てきいや 今なら楽に殺したんで?」
「チッ」
敵は考える余裕も与えてくれないらしい
だが、そんな時、パッと考えが浮かんだ
失敗すれば、皆死ぬだろう
でも、今やらなければきっと
「治、お前に頼みが──」
「分かってるよ」
「え?」
「きっと、君の考えていることと同じことを考えていたさ」
そう言いながら微笑む治は、私を落ち着かせるには充分すぎるくらいで、
「ありがとう」
却説、真剣勝負の始まりだ
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作者名:龍神邪炎&チョコレート x他1人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2017年12月19日 14時