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「よいよい、どうせなら派手な花火をあげよう」


 そう言った零は、棺桶から這い出てきた。

 もちろん、ガコン という音に皆の注目を浴びる。


「革命の狼煙(のろし)をあげようぞ、生徒会に吠え面をかかせてやろう。窮鼠猫(きゅうそねこ)を噛む、しかもこちらは魔物の群れじゃ♪」


 Trickstarの3人まで魔物にされてしまっているようだが。

 キラキラ輝く虹色の道が、彼らの目の前に拓(ひら)かれた。

 あとは踏み出して、疲れきって倒れるまで走り続けるだけ。


「存分に暴れようぞ。目指すは、2週間後のドリフェス____『S1』あたりかのう。それなら公式戦じゃから、生徒会も昨日の野良試合のように容易くはつぶせるはずじゃ」


 北斗も、その『S1』に出場する想定で動いていたのだろう。

 考えることは同じ。

 いいや、最終的には彼らが望んだとおりの展開になっているのだ。

 Aは、零は、彼らの期待に、希望に答えてくれた。


「そこが、決起の場じゃ。革命の当日じゃ、舞台が待ち遠しいのう♪」


 なぜそうなったのか、真にヘッドロックをしていじめていた(?)晃牙を、Aと零が叱りつける。


「晃牙くん、その苛立ちは溜めておきなさい。それを決戦に噴出して、先日の敵を討つといいわ」

「我輩も力を貸してやる、渡りに船といったところじゃろう?」

「あ!? 頼んでね〜んだよ、生徒会の落とし前は自分でつける!」


 晃牙は生意気なことを言ってはいるが、やはり口ほどに表情は不満そうでもない。

 尻尾を振らんばかりの笑顔で、血気に逸っている。


「まぁまぁ、よいではないか。ようやく全力で噛みつけるぞ、わんこ。もはや我輩は止めぬ、その牙を熾盛(しじょう)に振るがよかろ」


 零が、晃牙を真似るように稚気(ちき)に溢れた笑みになる。

 零が晃牙にあてられたのか、晃牙が零に憧れて似た魂を育ててきたのか。

 家族のような温もりを共有し、彼らはこの日____同じ志を抱いてたった。


 結果は、わからない。

 もしかしたら、誰もが涙の沼に首までつかって絶望する日がくるのかもしれない。

 しかし今だけは、彼らTrickstarの3人は、地上で一番の幸せ者だった。

 とびっきりの、青春の只中にいたのだ。


 輝かしい未来が、その萌芽が、確実に胎動(たいどう)し顔を覗かせている。

 いつかそれを開花させるため、彼らは血と汗と涙を慈雨(じう)のように注いでいく。

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- この作品の続編ですが、最新作はオリジナルフラグが外れておりません。違反行為ですのでちゃんと外して下さいね (2018年8月9日 18時) (レス) id: 93bb7a0f46 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白銀桜夢 | 作成日時:2017年10月29日 17時

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