【あんスタ】むかしむかしの御話 (ページ2)

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壱話ページ2

「本当にありがとうございます！」

「いえいえ。お体、お大事になさってくださいね。それでは」

老夫婦に別れを告げて山道を下っていく。

今日の仕事は山奥で暮らしている老夫婦のおじいさんの方が腰をやってしまったらしいので、それを治しに来ていた。

「ふぅ、良いことをした後は気持ちがいいなぁ」

腕を上げて、体の芯を伸ばす。

力を使うのは疲れる。

でも、その力のおかげでたくさんの人の笑顔が見れた。

それだけで私はどれだけ疲れても頑張ろうと思える。

まぁ、力を使いすぎるのは駄目だからほどほどにしないといけないんだけどね。

「うーむ。ここの道、木々の間から覗く日光が幻想的で綺麗だなぁ」

私が呑気に周囲を見回していると、手元の扇がぴかぴかと光り出す。

そして、私をある方向に引っ張っていく。

この扇は治癒の力を持っているので、怪我をしている人などを感じるとその場所まで連れて行ってくれる。

今回のこれもそういうことなのだろう。

「困ってる人がいるのかな。…よし！助けに行くか！」

私は気合いを入れると、道なき道を進んでいった。