まわりのイケメンをどうにかしてくれ 2【あんスタ！×A3!】

第四十七話 ページ4

立石「さっきもらったんだ。
そんな重要な役じゃないけど、役名もセリフもちゃんとあってさ。
僕こんなの初めてで…」


『すごいじゃん！よかったね！』


立石「うん…」


『？あんま嬉しくない？』


立石「ううん、すっごい嬉しいよ。でもこれってきっと、僕がジョバンニに選ばれたからだよね？」


『うーん、まぁ少しは影響してると思うけど…』


立石「僕のジョバンニなんて全然ダメだ…」


『えっ？』


立石「森さんのカムパネルラみたいに光るものが僕には無いんだ…
どうして僕がジョバンニに選ばれたのかわからない…」








これは…

自分の悪口を聞いた…もしくは“主役”という肩書のストレスからきてる…？

ともかく…







『アンリくん、君にも光るものがあったよ』


立石「えっ…」


『私はアンリくんのお芝居を1年生の時から見てる。
君はすごく高いポテンシャルを持ってるのになかなか芽が出なくてすごくもどかしかった。

ジョバンニで、やっとだ、って思ったんだよ。

きっと他の審査の先生たちも一緒の気持ち』


立石「松川さん…」


『怖いよね…不安だよね…

でもね、オーディションは1人でも、舞台の上はみんながいる、舞台裏にも私たちがいる。

完璧じゃなくていい。“立石アンリ”という役者をお客さんに見せつけてやれば勝ちなんだから』








役者のサポートも演出家の仕事

そんな弱いメンタルでこの先やっていけない、って突き放す人もいるかもだけど、私にはそんなことできない

むしろ何も始まっていないこの時期に気づけて良かったと思ってるくらい







『君は将来何になりたいの？』


立石「役者、です…」


『それなら場数踏まなきゃ！あと人の演技をよく見る！お勉強！』


立石「は、はいっ！」


『いきなり自分の演技に納得できる人なんていない。
何回も練習して、何回もアドバイスもらって…やっと完成するから。
今日からまた一緒に頑張ろ！』


立石「…ありがとう、松川さん」








ウッ…笑顔が眩しいんだが…







『ドラマも経験だからね。麻里絵はドラマで場数踏んでるから気も座ってるんだよ』


立石「うん！頑張る…！
同い年の皇天馬くんとも共演するし、いろいろ学んでくるよ！」


『あマジ？私天馬と仲良い…のかわかんないけど声かけとこっか？』


立石「エェェェ！？」







アンリくんなんかマジ可愛いな

推しになりそう






『あっ、そうだ！
アンリくん、明日とかって暇？』


立石「？」

第四十八話→←第四十六話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す