Tennis match No.6 ページ7
ものの見事に酔いどれが色々言っているものだから、違和感は覚えるけれど…テニスラケットやボールを持たせない事で何をさせて何を鍛えさせたいのかは薄らと分かる気がした。
「クズ共！次は水汲みだ！」
白いシャツを着た彼らがぶつくさと文句を言いながら姿を消したタイミングを得た私は内心ガッツポーズのまま、大きな岩に腰を掛け、酒の入ったひょうたんを持った大人の前へとゆっくり歩み出た。
「…あん？何だお前は」
「初めまして、三船入道コーチ」
またも受ける事になった突き刺さる様な視線。居心地の悪さは増す一方だ。喉で止まってしまう言葉と絞り切ってしまう声は無理矢理に出す他に方法が無かった。
「…私は、向坂Aです。挨拶に参りました」
「フン…お前の名前なんぞ覚える必要も無い」
「それでも構いません。私は名を覚えて頂く為に挨拶に来たのでは無いので」
「だがな」
座高からの高さまでしか無い筈なのに感じる威圧感や圧迫感は相当で。私は一般的な身長しか無いんだから立たないでくれ、頼むから。
とか思うと大体立ち上がるんだから！昔、フラグを立てて自らフラグを回収しているんじゃないか、なんて言われたからそれは今も健在なのかも知れないなあ…困る。…齋藤コーチ程では無いけどこの人も背が高い。また見上げなくちゃいけない。
「お前を推薦したのはヤツら正規コーチ共じゃない」
「…存じております。あなたですよね、監督」
一瞬、彼の瞳が見開かれたかと思えば今度は不敵に笑われた。珍しくアルコール以外に集中できたのだろうか。物凄く、楽しそうなんだが。
「いつそれを知った？」
「…事前に。念の為に調べさせて頂いています」
「ほう…しかも崖を登ったか」
「恐らく、指導していらっしゃる彼らも登ったのでしょうから。なら私も一度は体験しておくべきだと思いまして」
本気で笑われた。特に面白い点も無いだろうに。本当に不思議になって来てしまった。案外取っ付きにくい訳では無いのかも知れない。この人、分からない。理解する事が難しい上に寄り添ってくれる人間が居ない方が良いと諦めているのか…と深読みしてしまうと失礼に値するからそろそろやめよう。この癖も。
「お前、一日だけこっちに来いや」
「…表側のコーチ陣の指示を一度仰いでからでも？」
「構わん。ヤツらは気に食わんがお前は別だ」
「…それはどうも。ではまた宜しくお願いします」
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唯(プロフ) - 初コメント失礼します....! 入江奏多先輩好きなので、思わず舞い上がりました！ 素敵な作品をありがとうございます(*^^*) 長文失礼しましたorz (2018年1月19日 19時) (
レス) id: f51638b8bc (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 原哲也(ハラテツ)の小説も書いて欲しいです (2017年12月7日 22時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍梓 | 作成日時：2017年12月7日 22時
