霊感系女子と帽子の彼〜第二幕〜【中原中也】

●観覧車 ページ4

今日はやけに寒い気がする



５度はあるはずなんだけどな……



俺は楽しげに地図を眺めているAを見てふっと頬を緩めた



寒くてもいいか、Aは楽しそうだし



「どこ行きたい」



俺が尋ねると、Aは地図のある一点を指差した



「ここの観覧車ここら辺では一番大きいんだって。乗ってみようよ」



いきなりか



俺は苦笑を漏らしたが、頷く



「あぁ、そうだな」



Aは嬉しそうに笑い、元気よく歩き出した



俺はその後を追いつつ、ふと気づく



さっきから他の男がちらちらAを見ている



そうか、いつもはズボンだからマシだったが……今日はあいつスカートだからな



俺は不愉快な気持ちになり、Aに早歩きで追いつき、手を殆ど無理矢理繋いだ



Aが驚いて振り返る



「急にどうしたの」



俺は繋いだ手をさりげなく恋人繋ぎに変えながら答えた



「お前は俺のもんだって見せつけてる。さっきから他の男にちらちら見られてんの気づいてねぇのか？」



そう言うとAはうげ、と顔をしかめて俺の手をぎゅっと握った



だが少し首を傾げたかと思うと俺を見上げた



「なんか今日中也やけに素直だよね。なんかあったの」



……俺そんな今日素直か？



俺は前の言動を思い出して、首をかしげる



確かにいつもよりは素直かもしれないが……



何かあったのかと訊かれる程いつもと違うか？



俺が疑問符を浮かべているとAはまぁいいや、と言って歩調を早めた



どうやらよほど観覧車が楽しみらしい



それを指摘してみるとAは別に良いじゃん、とそっぽを向いたが、その瞳がきらきらと輝いている



この表情を見れただけで遊園地に来た甲斐があったという感じだ



数分後俺たちは観覧車の麓に着いた



見上げてみると、改めて観覧車がかなり大きいと気づかされる



昔は乗らなかったからな……



昔の事を思い出していると、チケットを買ったAが俺に手招きをしていた



「中也早く！」



「あ、悪ぃ」



俺はAの元に駆け寄り、ゴンドラに乗り込んだ



何故か一瞬目眩がした



気のせいだろうか





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ようやくテスト終了……

お待たせしてしまってすいません

これからはちゃんと１日に二、三話、千一夜物語の方かこっちを更新しようと思います

成績も文才も更新もぐだぐだな駄作者ですが、どうかこれからもよろしくお願いします

○違和感の正体→←○やけに素直

• 金　運: ★☆☆☆☆
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