○やけに素直 ページ3
電車で約一時間
私たちは某ネズミさんランドなどと言う頗る人の多い所には行かず、まぁまぁそこそこという規模の遊園地に到着した
だいぶ久しぶりのためか、少しテンションが上がる
中也も久々だった様で、懐かしげに辺りを見渡している
そして時折あれまだあるんだ、とかあれは潰れたか、とか呟いている
「ここ来たことあるの?」
そう尋ねてみると、中也はふっと微笑んだ
「あぁ、一回姐さん……まぁ師匠みたいな人と来たことがあってな。もう十数年前だが」
ふぅん、そんな前なのによくアトラクションが残ってるだとか潰れてるだとか判るよな……
私なんてどこの遊園地に行ったかも忘れた
もしかして此処だったりするかもしれないな
そんな事を思っていると中也が言葉を続けた
「あの時はまだジェットコースターなんて一つしかなくてよ、結局あまりの行列に並ぶのが面倒で_______________」
そう私に昔の思い出を語る中也は至極楽しげだった
微笑ましくそれを見つめていると、中也が言葉を切って私を軽く睨んだ
「なに餓鬼を見る様な目で俺を見てんだよ……」
どうやら無意識的にそんな目になっていたようだ
といっても子供はあまり好きではない為こんな微笑ましく見守ったりはしないのだが
「いや、楽しそうだなぁと思って、ね」
そう言うと中也が何か言いたげな顔をしたが、はぁ、とため息をついて私の頭に手を置いた
「他人事じゃねぇだろ。お前も今遊園地いるんだからよ……」
ごめんごめん、と笑うと中也はぐしゃぐしゃと私の頭を撫でた
そして私が髪が乱れると文句を言おうと顔を上げた瞬間、そっとキスを落として来る
「い、いきなりしないでよ……」
という私の文句はどうやら声が小さくて聞こえなかった様で、もしくは無視された様で、中也はニカッと私に笑いかけた
「ま、お互い今までで一番楽しい遊園地にしようぜ」
何か一つでも文句を言ってやりたかったが、その笑顔で全て振り払われてしまった
「私の中で一番楽しい遊園地なんて、中也が一緒にいるだけで楽々クリアなんだけどね」
それでも何か一つ仕返しをしてやろうとそう言って見ると、中也は予想に反して嬉しそうに笑った
「そっか。俺もお前と一緒ってだけで最高の遊園地だな」
……最近、やけに素直だなぁ
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
江戸川乱歩の駄菓子
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
140人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢代ツバキ - 信乃☆さん» 信乃☆さんの作品、すべて読ませていただきました。中原さんが格好よくて、太宰さんも格好よくて、読んでいてほぼずっと発狂寸前でした・・・・・・。更新、頑張ってください!応援しています。長文失礼しました。 (2017年7月28日 19時) (レス) id: 39392b36ad (このIDを非表示/違反報告)
麗亜@永遠の暇人はイメ画募集中(プロフ) - 更新頑張ってください! (2017年7月28日 13時) (レス) id: f73bf57bf2 (このIDを非表示/違反報告)
津島悠(プロフ) - めっちゃ面白かったです!これからも頑張って下さい! (2017年4月6日 10時) (レス) id: bf346899ea (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - すごく…いいっ…!(悶絶)中也さん格好いいです主ちゃんかわいいです太宰さん切ないうわぁぁぁあ(( 一気読みしてきました、更新とても楽しみにしてます!(*´▽`*) (2017年2月20日 15時) (レス) id: 2ca1777b5b (このIDを非表示/違反報告)
乃愛 - 信乃☆さん» 見るのが遅くなってしまい、すみません。インフルで…。最新話見ました!中也さん熱でよわってるのとか…最高ですね! (2017年2月18日 1時) (携帯から) (レス) id: 4eb0a7f336 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:信乃☆ | 作成日時:2017年2月5日 5時