検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:4,624 hit



▽あんまり気持ちいい話じゃない。


▽流血など苦手な方は注意
▽若干ホラーかもしれない


前々回→四男とぼろアパートにて
 前回→長男とせまいお部屋にて


*



私の目の前に糸に吊るされ白い封筒が
つつつ…と降りてきた。えっえっ何これ。



『…カラ松より……』



カラ松……松野カラ松。


封筒の右下に書かれた右上がりの文字。
愛しい名前にぷちん、と糸から封筒を外す。
すると糸はすすす…と上に上がって行った。



『相変わらずイッタいよねぇ…』



きらっきらの青いハートのシールを
丁寧に剥がして中の紙を取り出す。

その水色の紙を開いて見てみた。



『愛しのハニーへ…』



最初からイタい。多分この後も延々と
こんな感じのイタい文章が続くのだろう。
というか所々誤字ってるよカラ松くん。





愛しのハニーへ


傷の調子はどうだ?まだ痛むか?

5/23はラブレターの日だと聞いてな

俺のソウルの叫びを文字に…






『もー無理、もう限界』



どうしようこれ2枚もある…。

彼は自身のソウルの叫びをこの紙2枚分に
ぎゅぎゅっと凝縮してくれたらしい。
でも文字小さいし量は多分変わんない。



5月23日、ラブレターの日。


日付感覚に欠けた私は気付かなかった。
もうそんなに日が経っていたのか。
そりゃ私外に出掛けたりしないし。

カレンダーとか持ってないんだから
その辺は仕方ないと思ってほしい。



『一応全部読まなきゃね…』






俺のソウルの叫びを文字におこしてみた。

改まってこういうことを書くのは

普段口で言うから慣れないことで

正直照れ臭いのだが折角だもんな。


君に出逢ったあの日から

俺はずっと


お前を誰より何より愛している。






『あ〜…いったい…』


これ読み終えるまでどれくらいかかるんだろ…。


読んでるこっちが恥ずかしくなるよ。
愛してる、彼は何度も書き直したらしく
消しゴムで消したあとが沢山残ってる。


彼のそういうとこがまた素敵で大好きで
胸の奥の方がきゅぅっ、とあまく疼いた。



『はぁ…』



まぁ時間はいくらでもあるから。

ゆっくり、好きなだけ愛するカラ松くんの
ソウルの叫びを味わうとしましょうか。



緩む唇を指で撫でると赤く染まった。



一息吐くとごぽっと音がして



空を見ると彼が私を見て微笑んでいた。



。* °。* ° 。* 。


*カラ松



少し前に彼女を殺した。


仕事も友人関係もうまくいかないと
俺に泣きついてきた俺のかわいい彼女。


気晴らしにと釣り堀に行くと



『私もあのお魚みたいになりたい』



青い水中を悠々と泳ぐそれを指差して
疲れきった顔でそう小さく呟くんだ。


そんな彼女を見てるのが俺はたまらなく
悲しかったしそんな彼女が愛しかった。



だから心中しようと提案した。



俺はハニーを心から愛していたから
彼女の為なら命なんて惜しくなかった。

最期が彼女と一緒なら幸せだと思った。



だが



『……だめだよ、カラ松くんは…』



彼女は俺に抱き着いて泣いた。


少し力を込めたら折れそうな身体を
ふるふると震わせ静かに泣いていた。

愛するハニーを泣かせることが
俺には何より辛くて苦しかった。



『カラ松くんは死んじゃだめ』

「ハニー…俺は」

『だめなものはダメなの』



カラ松くんも死んじゃったら
私、貴方のこと嫌いになるからね。



「ハニー…」



"嫌い"の文字が俺にのしかかる。


ハニーに嫌われたら俺はどうすればいい。
彼女に嫌われたら生きる意味がなくなる。
かと言って死んだらさらに彼女に…。



謎の思考回路に追われて



結局、俺は彼女を一思いに刃物で刺した。



あの柔らかい肌の感触は今でも忘れない。
紅に濡れる瞬間までしていたあまい匂いも。



刃物を引き抜いた手に彼女の紅がかかる。



『………と…』



涙を浮かべ美しく微笑んだハニーは
ありがとう、と確かに小さくそう言って
俺の胸に冷たくなってく身体を預けた。
それと同時に俺の手足も冷たくなった。



その日の記憶はあまり残ってない。



気付いたら目を綴じたハニーを抱き
彼女の頬を涙でべたべたにしていた。
腕のなかの彼女が動くことはない。



『私もあのお魚みたいになりたい』



あの時のハニーの声が脳裏に響く。


だから彼女に錘をつけて釣り堀に沈めた。
普通に釣りする分には見えることはない。
長い網などで掬うのなら別の話だが。




「カラ松兄さん何それ…」

「フッ…魚に愛をしたためた」

「ほんとイッタイよねぇ!」



俺の愛するかわいいハニーは今頃
水の深いところで美しい人魚にでも
なってるんだろうな。そうだろハニー…?



「…」



お前が不安にならないように
3日かけて愛の言葉を紡いだんだ。

優しいハニーなら読んでくれるだろう?



「魚が読むわけないじゃん…」



隣でぶつぶつ言うトド松は放っておいて
ぽちゃんと白い封筒を水の奥深くへ落とす。



すると



ぴくっと小さく釣竿が揺れた。
釣糸の先の封筒が消えている。



あぁ、そうか。




「……ハニー…いるんだな」




空の映る池の奥を覗けば


きらり、鱗のようなものが光った気がした。



***


松野カラ松とラブレター


釣りの経験がありません。
変なとこは許してください…。


5/23は"こいぶみ"の語呂合わせで
ラブレターの日だそうです(*´∀ ` *)

なんかかわいいなぁ…と思いつつ
全ッ然かわいくない話を書き上げました。
書いた本人も意味がよく分かりません。


ここまでありがとうございました!

次はちゃんと純愛を書く予定ですので
またお会いできたら嬉しいです!!!



.

ホムペを作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (69 票)

このホムペをお気に入り追加 登録すれば後で更新された順に見れます
13人がお気に入り
設定タグ:おそ松さん , カラ松
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ダメ天使 - ダパー( ;∀;)ーー! (2017年12月26日 22時) (携帯から) (レス) id: 89fc855d6c (このIDを非表示/違反報告)
黒糖団子(プロフ) - ルミさん» ありがとうございます!感動してくださったことに感動です( ; ; ) (2017年4月17日 0時) (レス) id: f8373e1a96 (このIDを非表示/違反報告)
ルミ(プロフ) - お、おぉぉぉ…泣いてまう… (2016年12月26日 18時) (携帯から) (レス) id: 0f719a32cd (このIDを非表示/違反報告)
黒糖団子(プロフ) - 色松大好き人間さん» わー!ありがとうございます(´ ;ω; `)そうです!時間軸的に言うと次男視点→夢主視点っていう感じで、次男に釣り堀に沈められた夢主が恋文の日に次男からラブレターを受けとる…というような内容です。分かりにくくて申し訳ないです!(汗) (2016年7月9日 22時) (レス) id: 75481162f8 (このIDを非表示/違反報告)
黒糖団子(プロフ) - こひなさん» わー!ありがとうございます(´ ;ω; `)こひなさんがお優しいんですよ!感動してくださってうれしいです…!次男最高激しく同意します! (2016年7月9日 21時) (レス) id: 75481162f8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような占いを簡単に作れます → 作成

作者名:黒糖団子 | 作成日時:2016年5月23日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。