＊黒ﾊﾞｽ【ﾄﾞS編】日替わり＊

18種類の結果パターン

返事は「はい」か「イエス」だよ？ - 2024年5月11日

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〈笠松幸男〉


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昔から男勝りな性格で、事ある毎にムチャをして怒られた。


言葉使いは荒いし、周りのキラキラ自分を着飾った女の子達とは全然違くて


それでも、全く気にならなかった、最近までは


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「おいYOU、ちゃんと聞いてんのか」

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コツンと、折った人差し指でこめかみを叩かれて我に返った


目の前には眉間にシワを寄せて私を睨む幼なじみ、もとい好きな人


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「ゆ、きお…」

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「あ？」

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「なんでもない」


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慌てて誤魔化すと幸男は訝しげに私を見た。「テスト近いんだから集中しろ」と丸めた教科書で頭を叩かれた。ごもっともだ。


私はハッキリ言って壊滅的に頭が悪い。呆れた母親が、幼なじみである幸男に私の家庭教師を頼んでから、


幸男は律儀に私に勉強を教えに来る。自分だって部活と勉強の両立が大変なクセに、文句１つ言わずに


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「これ、解いてみろ」

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そーゆーところがまた好きなのだ、私は。どうしようもないくらい。


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「できた！」

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「どれどれ……って、ふざけてんのかテメェ！」

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「ふ、ふざけてないよ！」

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「1問目からしてふざけてんじゃねーか！何なんだよこの答え！」


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幸男の目が吊り上がった、うわ、と思った瞬間、完全に説教モードに入った幸男に叱られる


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「だって、分かんなかったんだもん」

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口を尖らせて不満げに言うとプツンと何かが切れる音がした。


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何の音だろう、と顔を上げると、額に青筋を浮かべる幸男の姿が目に入る。


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「わ、ごめんなさ…」


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言いかけた謝罪は途中でぶった切られた。不意に勢い良く引き寄せられて、


首筋に生暖かい感触が這う。


何事かと私が目を剥いたと同時に、チリッとした痛みが首筋を走った。


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幸男が私からゆっくりと離れる


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「え…は、ちょ」

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「次から1問間違える毎にキスマーク付けるからな」

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「いやいやいや、付けるからな、じゃねえだろ！」

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「あ？もう1つ付けられてえのか」

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「お前、照れキャラどこ行った！」


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そこにキスマークが付いている筈の首筋を抑え、私は椅子ごと後退りした。


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「YOU」

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「な、なんだよ！」

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「真っ赤だぞ、顔」

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「…テメェのせいだろが、っ」


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絶叫した私の言葉はまた途中でぶった切られた、今度は唇で塞がれる。


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「黙って勉強しろっつの」


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耳元で囁いた幸男の声に私は無言で何度も首を縦に振った。


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end

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