第52話 ページ5
A「その後は、結局森の中で行き倒れて、暗殺を生業にしている人達に助けられた、というか、捕まって、そこで数年間暮らしてました。」
そのせいか、おかげか、戦う力を得られたわけではあるけど。
A「だけど、そこを逃げ出して、フラフラ歩いてるうちに、この京の都の近くに来て、原田さんに出会ったんです。」
君菊「身体の方は大丈夫ですか？」
体調を崩して、座敷を出て来てしまったので心配してくれてるのだろう。
A「辛くないというと嘘になりますけど、こちらに出て来たばかりに比べれば慣れました。」
それも原田さんと、父の人の血のおかげだろう。
千「そうなのね。…………貴方は、これからもここで暮らしていくの？」
あまりにも急な話だったので、私は、え、と首を傾げた。
千「急にこんなこと言われても驚くかもしれないけれど、私はこの京の都を取り締まる八瀬の女鬼なの。」
A「鬼、ですか？」
千「ええ。」
そういわれれば、あった時から不思議な感じのする人だとは思ったけど、人ではなかったのか。
千「貴方さえ良ければ、私の里で暮らせるようにしてあげようと思うのだけれど、どうかしら？」
A「……えっ？」
千「ここよりはきっと住みやすいはずよ。山の上にある場所だし、皆んな私と同じ鬼だから、雪女の貴方を嫌がったりする者もいない。」
同じ人外同士ならということなんだろう。
だけど………。
私はどうしたいの？
ここにいたい？
けど、みんなに迷惑をかけてしまう。
ここを出る？
けど私は、…………原田さんといたくて、ここに来たのに。
でも………迷惑かけてばっかりの、甘えてばっかりの私が、原田さんのそばに居たいなんて、許されるのかな。
これからだって、きっと迷惑かける。
伺うように、原田さんの方を見れば、原田さんは微笑んだ。
原田「Aの好きな方を選べばいい。ここを出たいんなら、俺もみんなに説明したりしてやるし、ここに居たいんなら、迷惑かけるとか考えないで、いればいい。」
もう何回も私のことを励ましてくれた温かい手が私の頭を撫でる。
A「私は……………原田さんと、一緒にいたい、です。」
お千ちゃんは、一瞬少し残念そうにしていたけど、にっこりと笑って了承してくれた。
千「分かったわ。だけど、何か困ったことがあればいつでも頼ってね！」
そう言って、2人は帰っていった。
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彗.(プロフ) - 麗輝★ばりっちさん» そこまで言ってくれるなんて本当に嬉しいです！泣いて喜んじゃいます！そう言ってくださる方がいらっしゃるなら頑張って書きますね！！！ (2018年2月12日 17時) (
レス) id: b992a17143 (このIDを非表示/違反報告)
麗輝★ばりっち(プロフ) - 作品全部読みました！めちゃくちゃ良かったです！たまに発狂しました（笑）そのくらい面白かったです！次作も楽しみにしてます！頑張ってください！ (2018年2月12日 17時) (レス) id: c8e72bbc9a (このIDを非表示/違反報告)
彗.(プロフ) - Serenityさん» 楽しみにしてくださってると凄く励みになります！ありがとうございます！！ (2017年11月26日 23時) (レス) id: b992a17143 (このIDを非表示/違反報告)
Serenity(プロフ) - 久々に更新されたと通知が来て、見ました！いつまでも待ちますので、完結楽しみにしています。 (2017年11月26日 11時) (レス) id: 3ab5adeb9e (このIDを非表示/違反報告)
彗.(プロフ) - はるはるさん» ありがとうこざいます！嬉しすぎます！ (2017年11月25日 22時) (レス) id: b992a17143 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彗. | 作成日時：2017年4月29日 0時
