第75話 ページ28
早いほうがいいと話し非番になっている明日、土方さんのところに話に行くことになった。
だけど、土方さんは許してくれるのかな。
私が抜けることは全く問題ないだろうけど、左之助さんは新選組の幹部で、しかも殿を任されている。
貴重な槍の名手でもあるらしいし、みんなから信頼もされてる。
そんな左之助さんを、出会ってたった1年ちょっとの私が独り占めしていいのかな、なんてまだ思う。
でも、一緒に行くって、私も決めたから。
朝餉が終わり、私と左之助さんは土方さんの部屋来ていた。
土方「それで、話ってのはなんだ？」
私が一緒にいるあたりで私の話だということは土方さんも分かっているのかも知れないが、一応聞いてみるらしい。
原田「Aは、もう戦場には立てねぇ。腕力がほとんど戻ってなくて、槍は持てても、簡単に弾かれちまう。」
土方「なるほどな。まぁ、あれだけの怪我だ。治らなくても不思議には思わねぇよ。………それで、何が言いてぇんだ？」
左之助さんは、私の方を見た。
自分で言えってことだと思う。
A「私、ここを抜けようと思います。」
土方さんは何も言わずに私の言葉を聞いていた。
予想はしていたんだと思う。
A「腕力はもう戻らないと思います。戦うとなれば雪女の力を使うしか、もう術はなくて。それは、出来れば人前で使いたくないですし。………戦えないならここに置いてもらえる理由もないと思って。…………新選組の皆さんには本当に感謝してます。こんな私を受け入れてくれて。だからこそ、迷惑はかけたくないんです。」
何もしていない私がずっとここに居れば、隊士の人達から不満が出るのは時間の問題だ。
私の居場所はもうここじゃない。
土方「桜雪の話は分かった。……………原田、てめぇもか。」
睨むように左之助さんを見据えた土方さん。
左之助さんはあぁ、と頷いた。
原田「俺が抜ける事でどれだけの迷惑がかかるか分かってる。けど、俺はAといてぇんだ。」
土方さんは目元を抑えながら溜息をついた。
土方「本気か。」
原田「あぁ。」
息苦しいくらいの緊張感。
時間はそんなに長くなかったのかもしれないけど、感覚的にはとても長く感じた。
先に緊張感を緩めたのは土方さんだった。
土方「はぁ………どう説得したところで、もう残る気はねぇんだろ。………好きにしろ。」
その答えに左之助さんは、笑顔でありがとよ、と言った。
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彗.(プロフ) - 麗輝★ばりっちさん» そこまで言ってくれるなんて本当に嬉しいです！泣いて喜んじゃいます！そう言ってくださる方がいらっしゃるなら頑張って書きますね！！！ (2018年2月12日 17時) (
レス) id: b992a17143 (このIDを非表示/違反報告)
麗輝★ばりっち(プロフ) - 作品全部読みました！めちゃくちゃ良かったです！たまに発狂しました（笑）そのくらい面白かったです！次作も楽しみにしてます！頑張ってください！ (2018年2月12日 17時) (レス) id: c8e72bbc9a (このIDを非表示/違反報告)
彗.(プロフ) - Serenityさん» 楽しみにしてくださってると凄く励みになります！ありがとうございます！！ (2017年11月26日 23時) (レス) id: b992a17143 (このIDを非表示/違反報告)
Serenity(プロフ) - 久々に更新されたと通知が来て、見ました！いつまでも待ちますので、完結楽しみにしています。 (2017年11月26日 11時) (レス) id: 3ab5adeb9e (このIDを非表示/違反報告)
彗.(プロフ) - はるはるさん» ありがとうこざいます！嬉しすぎます！ (2017年11月25日 22時) (レス) id: b992a17143 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彗. | 作成日時：2017年4月29日 0時
