第68話 ページ21
意識がゆっくり覚醒し、目を開く。
もう朝になっていた。
傷の様子を確認する。
手足はもう少し時間がかかりそうだけど、体の細かい火傷はほとんど治っていると思う。
A「今日一日はまだ動けなさそうかな。」
足のほうは、明日か、早ければ今日の夜には動かせるかもしれない。
雪をのせて、部屋を冷やしているおかげかな。
問題は、両手だ。
痛みは和らいだものの、それでもやっぱり痛くて、感覚はほとんどない。
傷が残ってしまうのは仕方ないと思う。
だけどそれよりも心配なのは、このまま手に力が入らなくなってしまったりした場合、私は今まで通り戦うことができなくなってしまう。
そうなったら…………ここに、いられるの？
そんな思考を遮るように、障子の向こうから左之助さんの声がした。
原田「A、起きてるか？」
A「はい、おはようございます。」
返事をすると左之助さんが障子を開けた。
原田「入るぞ？怪我の具合はどうだ？」
私の近くに座ると顔を覗き込まれる。
A「体の細かい傷はもうほとんど治ってると思います。足のほうは早ければ今日の夜には動かせるようになると思います。問題は………」
原田「両手か。」
A「……はい。」
動かそうと思っても、やっぱりうまく力が入らない。
A「痛みは引いてきたんですけど、感覚があまりなくてうまく動かせないんです。だから、ご飯食べたりとかはもう少し時間がかかると思います。」
原田「飯食べなくても大丈夫なのか？」
A「はい、何ヶ月もかかるわけじゃないので。」
もう部屋を出てください、と左之助さんを促す。
不満そうな顔をしていたけど、部屋を出てくれた。
土方さんに今日も出られないということを伝えていた抱けるようにだけお願いをして、私はもう一度眠りにつくことにした。
早く治ることを祈って。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 118人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
彗.(プロフ) - 麗輝★ばりっちさん» そこまで言ってくれるなんて本当に嬉しいです！泣いて喜んじゃいます！そう言ってくださる方がいらっしゃるなら頑張って書きますね！！！ (2018年2月12日 17時) (
レス) id: b992a17143 (このIDを非表示/違反報告)
麗輝★ばりっち(プロフ) - 作品全部読みました！めちゃくちゃ良かったです！たまに発狂しました（笑）そのくらい面白かったです！次作も楽しみにしてます！頑張ってください！ (2018年2月12日 17時) (レス) id: c8e72bbc9a (このIDを非表示/違反報告)
彗.(プロフ) - Serenityさん» 楽しみにしてくださってると凄く励みになります！ありがとうございます！！ (2017年11月26日 23時) (レス) id: b992a17143 (このIDを非表示/違反報告)
Serenity(プロフ) - 久々に更新されたと通知が来て、見ました！いつまでも待ちますので、完結楽しみにしています。 (2017年11月26日 11時) (レス) id: 3ab5adeb9e (このIDを非表示/違反報告)
彗.(プロフ) - はるはるさん» ありがとうこざいます！嬉しすぎます！ (2017年11月25日 22時) (レス) id: b992a17143 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：彗. | 作成日時：2017年4月29日 0時
