第49話 ページ2
どんどん外への興味が膨らんでいたある日。
あれは、私が13歳の時だった。
いつもと変わらない日常を過ごしていたけど、何だか今日は、上が騒がしいなと思っていた。
でも、わたしには関係ない。
だってここから出られることはないんだから。
そう思い、再び読書にいそしんでいると。
？？「貴方が、Aさんですか？」
全く気配を感じなかったのに急に名を呼ばれ、少し驚きながら声のした方を向く。
柵の向こうには見たことのない女性がいた。
その髪は黒く、明らかにこの村の人間ではなかった。
A「はい。Aは私です。貴方は？」
私はその場に本を置き、柵の前まで歩いていく。
この人が来たから上は騒がしかったのだろうか。
ということは侵入者、とか？
？？「私は、我が主の命により貴方を助けに来たのです。」
A「……助けに？」
？？「はい。」
私はその言葉を理解できずにいた。
この人は全く知らない人なのだ。
何でか理由を考えているうちに、上が騒がしさを増す。
？？「もう見つかってしまったようですね。これを、貴方に。」
私は牢の中に差し出された手をじっと見つめる。
？？「ここの牢の鍵と、これはクナイです。使ったことはないかもしれませんが、ここを出るときに貴方の力になってくれるはずです。本当は一緒に連れて行きたかったのですが。もうここにはいられなさそうなので。……それでは、幸運を祈ります。」
その人は一瞬で目の前からいなくなっていた。
すぐに上からこちらに降りてくる足音が聞こえ、私は咄嗟に手に持っていたものを隠し、最初に本を読んでいた場所に戻る。
祖母「ここに誰か来なかったかい。」
A「いえ誰も。上が騒がしかったですが、何かあったんですか？」
お祖母様はじっと私の目を見て、無言で上に戻って行った。
完全にいなくなったのを確認し、私はあの人からもらったものを確認した。
A「これがあれば、ここから出られる？」
出て見たいと思ってた。
だけど、ここから出てどうするの？
雪女は寒いところでしか生きていけないらしい。
だけど、この村にいてもこの中に入れられてしまうんだから、自由になるにはこの村から出るしかない。
だけど、村を出た瞬間死んでしまう可能性もある。
A「けど……」
外に出てみたい。
そのまま死んでも、良いかもしれない。
ここで一生過ごすよりは。
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彗.(プロフ) - 麗輝★ばりっちさん» そこまで言ってくれるなんて本当に嬉しいです！泣いて喜んじゃいます！そう言ってくださる方がいらっしゃるなら頑張って書きますね！！！ (2018年2月12日 17時) (
レス) id: b992a17143 (このIDを非表示/違反報告)
麗輝★ばりっち(プロフ) - 作品全部読みました！めちゃくちゃ良かったです！たまに発狂しました（笑）そのくらい面白かったです！次作も楽しみにしてます！頑張ってください！ (2018年2月12日 17時) (レス) id: c8e72bbc9a (このIDを非表示/違反報告)
彗.(プロフ) - Serenityさん» 楽しみにしてくださってると凄く励みになります！ありがとうございます！！ (2017年11月26日 23時) (レス) id: b992a17143 (このIDを非表示/違反報告)
Serenity(プロフ) - 久々に更新されたと通知が来て、見ました！いつまでも待ちますので、完結楽しみにしています。 (2017年11月26日 11時) (レス) id: 3ab5adeb9e (このIDを非表示/違反報告)
彗.(プロフ) - はるはるさん» ありがとうこざいます！嬉しすぎます！ (2017年11月25日 22時) (レス) id: b992a17143 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彗. | 作成日時：2017年4月29日 0時
