みんなが幸せならそれで【天祥院英智】 (ページ16)

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【本当の気持ちは】ページ16

「誰も来ないから
　ゆっくりしてもらって構わないよ」

そう言われて、英智と向かい合うように座る

ちょっと待ってね、と私のお気に入りの紅茶の
アッサムを入れてくれた。

「それでね、僕は君に謝らなきゃいけない。

　本当に、あの時はすまなかった。」

『…あの時、私は
　英智のこと本当の友達だと思ってた。』

「うん」

『それに、五奇人のみんなを
　倒すなんて私は嫌だった

　…でも、みんな復活してるから
　みんなが大丈夫だよって言ってくれるから
　それは目を瞑るよ。』

そういうと、英智は、辛そうにありがとうと
微笑んだ

「あの時のことは、謝っても謝りきれないよ

　君の友達を瀕死にした挙句
　僕は君までも切り捨てた」

『ほんと辛かった

　今では、青葉も、渉も、レオも
　みんな普通になってて少しだけ
　羨ましかったの。』

教室に入った時、みんなが迎えてくれたけど、君とだけは目も合わなくて。
少し時間が経っても挨拶するだけの関係が悲しかった。

『あんずちゃんが私のところに来た時
　fineの曲を書くってことはなんとなくだけど
　予想してたの。』

「…え、それなのに受けてくれようとしたのかい？」

『うん、だって、このままは嫌だったから。

　みんな前に進んでるから』

っていうのは建前。
英智とこのまま話せないで、卒業するのが嫌だったから。

きっと、私は、昔も今も、彼に

______恋している。

「そうなんだね、

　僕はね、図々しいかなって思って
　本当にAに依頼していいのか
　わからなかったんだ。
　
　君を君たちを切り捨てたくせに
　僕はこうしてアイドルとして輝いている」

でもね、僕は図々しかったみたいだ、と笑う

「また、いいや、あの時よりも
　ずっと明るい、輝くステージで
　君の歌を歌ってもっともっと輝きたい
　って思ってしまったんだよ」

〜〜〜〜〜

君が教室に入って来た時
みんなが話していて羨ましかった。

あの時、君を切り捨てた後
心にぽっかりと穴が空いた気がしたんだ。

もちろん、日和くんや凪砂くん、青葉を
失ったこともあると思う。
でも、それとは少し違うぽっかり穴

自分で切ったくせに、入院してる時
いつも来てくれていたAが来てくれなくて

____寂しかった、心細かった

たぶん、あの時の僕は気づくことができなかったけど

君にAに恋をしていたんだ。

今だからわかるよ。
いろんな人の暖かさに愛に触れて
この感情を知ったんだ。