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あんな可愛くお願いされたら断れるわけもなく、かといってAにあげた薄いパーカーを着させる訳にはいかない。
仕方なく自分のクローゼットから裏起毛であったかいパーカーを取り出し、彼女を起き上がらせて着させる。



「よし、これならあったかいかな」


『これ…もらったやつじゃないよ…?』


「風邪ひいてるのに薄着させるわけにはいかないよ。さ、父さん待ってるから行こうか。歩ける?」


『ありがとう…さすがにそれくらいは大丈夫だよ』


と、いいつつベッドから起き上がったはいいものの足取りはフラフラしてるし今にも倒れそうである。
彼女は変なところで遠慮するから見てるこっちがヒヤヒヤしてしまう。



「A、無理しないの。ほらおいで」


『だっ大丈夫だよ!!へっ、あっ、ちょっ!』


おいでとか言ったけど、意外と頑固な彼女が来るわけないから腕を掴んで引き寄せ、膝裏に腕を通し、そのまま抱き上げる。



『つ、司さん!!降ろしてっ歩けるよ!』


「ダメ。立ってるのもやっとなのに歩けるわけないでしょ?大人しくしてなさい」


『むぅ…』


「じゃあ動くからちゃんと掴まってるんだよ」


『ん…』



そう言うと、彼女は渋々首に腕を回してくれた。
別に掴まっていなくても落とすわけないけどこうすることによって距離が近くなるから役得である。

Aは僕がこんな下心を思っているなんて微塵も思っていないだろう。そもそも、バレたら僕の何かが終わる気がする。

Aの荷物を持ち、下に降りて父さんの車へ入る。
熱が上がってきたのか、その間に彼女は眠ってしまった。



「ごめん、父さん。おまた「Aちゃーん!!大丈夫かい??今日はパパがつきっきりで看病してあげるからね♡」はぁ…父さん、A寝てるんだから静かにして」



実の息子をガン無視した挙句、その息子の彼女を口説くってどんな父親だよ。いや、こんな父親なんだけどさ。母さんはなんでこの男と結婚したんだ。



「なんだぁ…寝てるのか…」


「…わかったから早く車出して」


「わかったよ…はぁ…」



なんなんだこの父親は。今度母さんに相談しよう。この性格は直せないのか、と。

こんなことになるならたるとに車出してもらえばよかったと思う今日このごろであった。




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一応まだ続く予定です。

順位初めてついたのでめちゃんこ嬉しい。
ありがとうございます!!



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猫狐(プロフ) - 光芒さん» ご指摘ありがとうございます。外し忘れていたようです。すいません。 (2016年12月29日 11時) (レス) id: c91017cc56 (このIDを非表示/違反報告)
光芒(プロフ) - あの,この作品は2次創作ですよね?でしたらオリジナルフラグははずさないといけないのではないでしょうか?違ったら御免なさい。コメント失礼しました。 (2016年12月29日 5時) (レス) id: 86ba02c6f9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:猫狐 | 作成日時:2016年12月26日 2時

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