階段から落ちたら「彼女」の世界にいました。

26段目 ページ27

「ちょ、どこに行くんですか…！」

吉川「どこって…あなたの彼氏の家に決まってるじゃない」

「え…と、徹の…？」

吉川「…なに、行きたくないの？」

「行きたくないですよ！
さっき私別れたばっかですし…っ

て、ていうか…吉川さんが徹の彼女なんじゃないんですか…！？
私なんかよりずっと…お似合いだし…」

吉川さんにそう言ってるうちにボロボロと涙がこぼれる

吉川「釣り合ってるからなんだって言うのよ
釣り合ってる＝付き合えるってワケじゃないでしょ、馬鹿じゃないのあなた」

私の手を引いていた手を離すと腕を組んで私を見る吉川さん

「え…」

吉川「あのねぇ…私はちゃんと徹に告白してフラれてるの
しかもあなたが合鍵を返した後にね」

「み、見てたんですか…！？」

吉川「そうよ、見てたわよ
別れを告げられて弱ってるところをアタックしたのに、振られるってどういう意味がわかる？」

「…はい？」

吉川「あなたがまだ忘れられないってことなんじゃないの？
まぁこれは徹の感情だからあなたには関係ないけれど、」

そう言うと私をキッと睨む
ビクッと体を揺らすと、クスッと笑った

吉川「あなたの本心はどうなの？」

私の…本心…？

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