階段から落ちたら「彼女」の世界にいました。

25段目 ページ26

「つ、付き合う！？」

隣に座っていた橘から少し距離をとる

橘「おぉ離れた
んで？どうする？」

「い、いい！
頼まない！」

橘「えーなんで？
俺が彼氏なのそんなに嫌？」

「そういうワケじゃないけど…」

橘「んじゃどんなワケ？」

そう言いながらじりじりと距離を縮めてくる橘。
怖くなった私はベンチから離れようと立ち上がる

橘「っと、どこ行くの？
話はまだ終わってないよ」

ぐいっと腕を引かれ、橘との距離がぐんと近くなる

橘「俺にしときなって…俺だったら悲しませない」

「や、めて、橘…」

橘「な？及川…」

そう言いながら顔を近づけてくる
私は拒もうと手を前に出すがその手を拘束され、拒めなくなる

？「あらあら、そんなことしちゃっていいの？」

そんな声がすると、私の口に誰かの手が覆い被さる

橘「…げ」

？「げって何よ
…アンタも何してるワケ？」

「よ、吉川さん…！？」

吉川「あら、なに？
そんな怯えた顔しないで？
徹クンには何もしてないから」

「何もしてないって…キスは…」

吉川「キス？あぁ、あのコトね」

「あのことって…そんな軽い言い方しないでください！」

吉川「…なんだ、まだちゃんと徹のこと好きなのね
よかった、安心したわ」

「何いってるんですか…」

吉川「ほら、立って
そこのキミ、邪魔どきなさい」

橘「は？お前誰だよ」

吉川「さっきげって言ったから覚えてると思ったわ
ねぇ？橘クン
昔あなたにはよーーくお世話になったわね」

そう吉川さんが橘に言うと、橘はサーッと血の気が引いたような表情をした

橘「よ、吉川さん…？」

吉川「思い出した？
まぁどうでもいいけど、早くどいて？」

ニコニコしながら指示をすると、それに従う橘。
吉川さんはクスッと笑うと、私の手を引いて公園を出た

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