階段から落ちたら「彼女」の世界にいました。

24段目 ページ25

公園には誰もおらず、私たち2人だけだった

橘「ん、飲む？」

「ありがと…後でお金返すね」

橘「いーよ、俺が勝手に買ってきたんだし

んで？何があったの？
さっき会った時も泣いてたよね」

そう言うとくいっと服の裾で私の涙を拭う橘

「ごめん…その服」

橘「大丈夫だよ、気にすんな
なにがあったん？聞いてやるよ」

「うん…」

私は今まであったことを全て橘に話した
すると橘はうーんと考えだした

橘「それで別れちゃったってこと？」

「そうなんじゃないの？」

橘「投げやりだなぁ
彼氏さんは？」

「…なに？」

橘「彼氏さんは別れるって言ったの？
及川が勝手に別れたってわけじゃないよね？」

「……それは」

橘「それじゃダメだよ
別れるんだったらちゃんと別れなきゃ」

「…でももう話せないよ」

橘「んじゃ、俺が言ってきてあげようか」

「え？」

橘「話しづらいんでしょ？
なら俺が言ってきてあげるよ
Aさんが別れたいって言ってましたよって」

「でも悪いよ」

橘「じゃあこの中途半端なのをずーーっと続ける？」

「それは…」

橘「ならしっかり別れちゃいなよ
他の女とキスしてたんでしょ？」

「うん…」

橘「そんな人と付き合ってて幸せ？」

橘は私の顔を覗きながらそう言う

「わかんないよ…」

橘「だったら別れちゃいなって
今からでも」

「い、今から！？
無理！会えないよ！」

顔をバッと上げて橘を見てそういう
すると橘はクスッと笑ってこう言った

橘「じゃあ俺が言ってきてあげる
もし、及川が俺に頼むんなら条件一つのんでもらうけどね」

「じょ、条件…？」

橘「そ。
どうする？俺に頼む？」

「そんな急に…」

橘「今しかないよ
俺、後で言われても行かないからね」

悪戯にそう笑いながら言う橘。
私は少し悩んで

「…その条件は何？」

条件のことを聞いた
すると橘は少し考えてにやりと笑い、口を開いた

橘「それ聞いちゃう？
まぁいいけど


"俺と付き合う"っていう条件、ね」

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