階段から落ちたら「彼女」の世界にいました。

15段目 ページ16

徹の授業が終わるまで大学で待っていることに。
リュックからノートや筆箱を取り出して復習をする

？「ねーえ」

すると誰かから呼ばれる声がした
ふと顔を上げるとそこには綺麗なお姉さんが立っていた

「...私ですか？」

？「そ。
ねね、あなた今誰待ってるの？」

「え…彼氏ですけど」

？「それって及川徹くん？」

「そうです」

ネクタイの色が水色…ってことは徹と同じ学年

3年生…。


？「ちょうど良かった
私もね及川くんに用事があるの
一緒に待ってもいいかしら？」

「え、まぁ…」

ノートの返却とか？
それなら私に渡せば良くない？

すこし疑問を抱えながら徹を待った

しばらくすると携帯が振動を起こし、音楽が流れた

「もしもし？」

及川『あっ、A？今どこ？
今終わった！』

「あー…っと、徹のところ行くよ」

及川『あ、本当に？
じゃあ俺のクラスまで来れる？』

「うん」

及川『はーい！』

ピッと音を立てて切れた通話。
私はリュックを背負うと何も言わずに場を去ろうとした

？「え、どのいくの？」

「徹のとこですけど…」

？「私も用事あるんだってば！」

「あ…すみません」

そう忘れていたかのように振る舞う
忘れてなんかいなかった

──ただ、この人から離れたかった

？「及川くんどこにいるって？」

「Ａクラスだと…」

？「ん、おっけ」

なんでこの人にそんなこと伝えなきゃいけないんだろう
ただ後ついてくればいいじゃんか。

ギュッとリュックの紐を握ると、Ａクラスに向かって歩く。
徹のもとへ着くまではその女の人とは一言も話さなかった

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