階段から落ちたら「彼女」の世界にいました。

12段目 ページ13

「──ってことがあったんだよ
どっちが悪いと思う？乙葉ぁ」

徹が脱衣所から出てこないので乙葉に電話をかける
今までのことを細かく説明すると乙葉はキッパリこう言った

乙葉『それはまず橘くんが悪い』

「なんで!?橘関係ないじゃん！」

乙葉『てか、橘くんのせいで及川先輩が機嫌損ねたんでしょ？
だったらもうそれ、橘くんが悪いじゃん』

「橘は悪くないでしょ
ただ私を送ってきてくれただけだもん！」

乙葉『いや、家に入ろうとした時に腕掴まれた時点でアンタ、襲われそうだったんだからね
運良く及川先輩が出てきてくれたから良かったものの…』

「橘はそんなことしないよ！」

乙葉『あんたはどっちの味方なの
彼氏は及川先輩でしょ』

すこし強めにそう言われ、何も言えなくなる

乙葉『いい？及川先輩も橘くんも男なの。
本気になったら向こうの方が強いことちゃんと理解しておきなさい』

「ゔ…」

乙葉『それに及川先輩は気付いたから橘くんにあんな態度取ったの。
嫉妬とかもあったけど第一がそれじゃないかな』

「でもッ『言い訳しない』…はい」

乙葉『Aが危なくないって思ってても彼氏の方は案外心配よ？
なのにAったら、心配するなって…1回痛い目にあった方がいいのかしらね』

「乙葉さん…あなた何者…」

乙葉『まぁ仲直りしなさい
それと、もう橘くんには近付かないこと
いいね？』

「分かった...ありがとう」

乙葉『ええ、このお礼は今日行った所のケーキ奢りでいいわよ』

「クソじゃん…」

乙葉『女の子がクソとか使うんじゃありません』

「乙葉だってよく使う」

乙葉『私はいいのよ、彼氏いないもん
非リアだもん』

「なんかごめんなさい」

乙葉『謝らないで惨めになるから
まぁいいや、私レポートやらなきゃ
また明日ね！』

そう言われてブチッと一方的に電話を切られる
ツーｯツーｯとなるケータイを閉じ、はぁ...と上を向く

「あぁぁあ〜もう分かんないよぉお」

そう呟いて目を瞑るとそのまま意識を手放した

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