階段から落ちたら「彼女」の世界にいました。

8段目 ページ9

「じゃあなにしよっか、徹」

及川「んー…」

「徹くん」

及川「なに？」

「絶対眠いでしょ」

私の目の前でコクッコクッとリズムよく頭を上下に振っている

ご飯もお風呂も済ませたし、寝てもらって構わないんだけど…。

及川「だい、じょぶ…」

いつかこれ寝るな…

布団敷いてあげよ

そう思って立ち上がる
パァンッと勢いよく押し入れを開け、布団を出す

すると私はあることに気付く

「え、ない」

あると思っていた布団がなんと1セットしかなかった

「(床で寝るか)」

一応徹の布団を敷き終わり、再び徹の隣に座ってバレー観戦をする

及川「1枚しかないんだよね、布団…」

「そうみたいね、どうする？」

及川「…どうするって？」

だんだん目が覚めてきたのか、半目だった目が徐々に開いてくる

「だって1枚しかないんならどっちかが床で寝ないとでしょ」

及川「昔みたいに一緒に寝ようよ」

──そうだった

向こうだったとき、一緒に寝てたんだった…
すっかり忘れてた

よく寝てたな、私
隣に彼氏いたのに。

今じゃ絶対無理だ

「いや無理！絶対無理！！！
心臓が無理って言ってるよ！」

及川「ちょ、大声出さないでよ
無理って…前寝てたじゃんか！」

「いや無理だよぉお！！」

徹のそばから離れようとすると手首をつかまれてそのままドサッと布団の上に押し倒される
そして四つん這いになって私の上にいる徹

「と、ととととととおるサン!?
わ、わわ私…まだ心の準備が…っ///」

するとこてっと私の上に倒れる徹
その徹は寝ていたようだった

すーすーと寝息を立てて気持ちよさそうに寝ている徹の額にデコピンを食らわす

「んもー…」

一瞬変な顔をした徹を見て笑ったあと、私もその隣で眠りについた──。

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