【黒バス】私は、大丈夫。だから……ばいばい。【赤司征十郎】

／帰りましょう。１０１ ページ22

暗闇に消えていった鮮やかな赤。ボロボロと何かが崩れた




火「……A！行くぞ！」




引き起こされて、また走り出した。皆は怪我だらけで、私の手を引く火神さんの腕からも血が流れていた




あ「っ、だ、ダメです！まだ皆さんが……！」




火「これを終わらせれば消えるかもしんねーだろ！もうお前しか出来ねぇんだよ！辛いのはっお前だけじゃねぇっ……！」




あ「…っ……」




二つの足を強く抱きしめる。怪我をしたところがビリビリと痛むが、オレンジ色が視界に映りグッと堪えた




３階に降り、渡り廊下の前で火神さんに背中を押された




『ゥガアぁあああ！！！』




火「頼んだぞっ……！」




あ「っはい！」




火神さんはまた廊下を走って行った




色々な思いが引きずり、足が重い。それでも、懸命に走った




生徒棟につき、リコさんに貸してもらった笛を吹いた




ピーーーーーーーーーーーー…




リコさんが、音に反応することを聞いてこれを渡してくれたのだ




ピーーーーーーーーーーーー…




ズルズルと言う音が前から聞こえてきて、笛を口から離した




あぁ……終わるんだ。やっと……




目の前で止まった足のない人をボーッと見る。足を下ろすと、キラキラと消えていく。あんなに頑張ったのに、あっけなかった




その場に崩れ落ちるようにして座り込むと、パタパタと走ってくる音が聞こえた







黒子side




黒「Aさん！」




黄「Aっち！」




座り込んでいるAさんを見て慌てて駆け寄った。数秒前に聞こえたどこか悲しい笛の音に、いてもたってもいられず、来てしまったのだ。黄瀬君がついてきてくれましたが…




キーンコーンカーンコーン…




黄「なっ…ビー玉そこに落ちてるのに！」




あのプラスチックの板に嵌めてもいないのに！




«５時間目終了です。お疲れ様でした…。報告…ゾンビが消滅しました。報告…屋上の立ち入りを禁止します。報告…死亡者を確認しました。報告…高尾和成。花宮真。紫原敦。赤司征十郎。火神大我。報告…は以上です»




黄「……は？」




黒「嘘……ですよね…」




Aさんに視線を戻すと、Aさんは顔を両手で覆っていた




あ「………の…………ぃ……」




黒「Aさ、」




あ「……私のせいだ…」




手の隙間から、どんどんと雫が零れていく




そして、一瞬だけAさんの足にノイズがかかった

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