/帰りましょう。98 ページ19
あ「はっ、はっ、はっ…!」
両腕で布に包まれた足を持っているため、思うようなスピードが出ない
階段を駆け下りて、右に曲がるとドアがあった。急いでドアノブをガチャガチャと捻ると、鍵がしまっているのか開かなかった。つまり、行き止まりだ
『ァ…ああぁッ!』
あ「ひっ…」
後ろに迫ってきたゾンビ。1歩下がるとトンとドアに当たった。持っていた足をぎゅっと抱きしめた時、身体がグラリと傾いた
あ「え」
そのまま後ろに倒れ、ドサッと背中を打ち付けた
あ「あ、開いた!?」
パッと立ち上がって前を見ると、ゾンビは何事も無かったように戻って行く
ジリリリリリリリリリリッ!
いきなり鳴った音にびっくりして思わず足を落としてしまった
«緊急。バグが発生しました。バグが発生しました。原因核、月下A。バグを修整しています。バグを修整しています。バグの修正が完了しました。2棟と3棟の間に中庭が出来ました。報告…は以上です»
あ「中庭……創っちゃった…」
足を持ち上げて、後ろを振り向いた。月明かりに照らされた綺麗な場所。何故か噴水があるため、何処かの公園に見える
噴水の前に立つと、顔に少し水しぶきが当たる。周りを見ると、こちらから中の様子が見えなかった。窓ガラスが全て真っ黒で、外の景色を反射していた
トサッと後ろから物音がして、振り返るとオレンジ色の見覚えのあるジャージが落ちていた
それに駆け寄ろうとした足を止めた。上を見ると、2階の窓ガラスが割れている。いつ割れたんだろう。音がしなかった
あ「た、か……高尾さん!!!!」
また涙が溢れる。今度こそソレに駆け寄って、一旦足を降ろした。ジャージを触ると、グチャッと音がして手が真っ赤に染まる
なんで、なんで……
このジャージは目印にと高尾さんがプレードに引っ掛けたやつだ。違うよ。ゾンビの血だよ。けど、花宮さんがそれを目印にしてたんだよね?あ、れ……花宮さんは大丈夫なの?
青「Aっ!」
振り返ると、息を切らした青峰さんが居た。私の手元を見ると悲しそうに顔を歪めた
あ「青峰さ、」
青「落ち着いてくれ、A…」
あ「嘘、ですよね……」
青「…すまねぇ」
何に謝ってるんですか…?
青「高尾、と…花宮……が…」
首を横に振り、青峰さんの言葉を止めようとしたけど遅かった
_______ゾンビに殺された
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通りすがり - 高尾くんが死んじゃったときはボロボロ泣いちゃいました。 最後はとっても幸せそうで良かったです!! とってもいいお話をありがとうございました! (2019年10月11日 1時) (レス) id: b376688aed (このIDを非表示/違反報告)
咲 - なっ泣けたこんなに泣いたの生まれて25年初めてです! (2018年1月6日 1時) (レス) id: 86518e5421 (このIDを非表示/違反報告)
柚 - すいません、91話、【秀徳】が【秀得】になってましたよ。 (2016年9月10日 5時) (レス) id: aa89b6be9e (このIDを非表示/違反報告)
碧覇(プロフ) - とても、面白く、感動的でした! 今後の赤司さんと夢主ちゃんの話が、みたいです!(ただのリクエストですが)これからも応援しています。頑張って下さい!楽しみにしております! (2016年6月28日 20時) (レス) id: 6a9e057f32 (このIDを非表示/違反報告)
乱花(プロフ) - 凄く面白かったです!赤司様大好きなのでよかったです!沢山ある展開にハラハラしながら何回も読み返しちゃいます(笑)別の作品も頑張ってください! (2016年6月25日 5時) (レス) id: accd4d12ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:悠りん | 作成日時:2016年2月20日 22時