この恋に気付いて【おそ松さん】 (ページ12)

今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:1,140 hit

．ページ12

その夜、予告通りAがお酒を持ってやってきた。

明日仕事ないから、と、おそ松兄さんと僕の間を陣取って、いつもの倍近く飲むA。

「ほら、もうそれぐらいにしときなよ」

なんて僕の声も虚しく、上機嫌のAは絡んでくる。

「なにー？チョロ松ももっと飲みなよ～！」

「うわっ⁉ちょっ、は、離れてっ！」

近すぎる距離にドギマギしてしまう。

女の子ってだけでも距離が近いとドキドキするのに、好きな子だったらなおさら。

慌てて距離を取ると、Aは明らかに不満そうな顔をして、またお酒をグイッと飲み干した。

そんなに強くないくせに、どんどん呑むから不安になる。

「ねぇ…そろそろヤバいんじゃない」

一松がそう言った頃には時すでに遅し。

もはや理性が残っていないくらいのAが、机に突っ伏していた。

「確かAちゃん、明日休みだよね？」とトド松

「それにしても飲みすぎでしょ。誰か止めてよ…」

まあ僕も隣にいたのになにもできなかったけど、

僕は僕で十四松が大変だったし。

「仕方なくない？どーせAは止めても飲むしー」

そう言いながらも「水、取ってくっから」と立ち上がりかける兄さん。

「ん…おそ松…。」

Aが、おそ松兄さんの服を掴んだ。

「お～？さみしーの？水とってくるだけだって～」

そんな風に言うおそ松兄さんも、満更ではなさそうで。

(見てらんない……)

ふとよぎった感情に自分でも驚く。

わかってたのに。Aがおそ松兄さんを好きなことくらい。

「ぼ、僕が取ってくるから！！」

ごまかすように立ち上がって台所へと逃げた。