この恋に気付いて【おそ松さん】 (ページ11)

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だって…とAは続ける。

「チョロ松は充分、優しいし誠実だもん」

普通なら、喜べるはずのA言葉に、胸が苦しくなる。

なんでそんな、優しいこと言うの。

「ほんと⁉良かった～」

なんでもないみたいに笑いながら、泣きそうになった。

僕が優しくて誠実でも、Aは…

僕のこと、好きになってくれないでしょ。

「ねえ、今日の夜みんなで飲みたいな！お酒持って来ていい？」

Aが明るく言う。

「いいね、来てよ！ね、チョロ松兄さん」

「もちろんだよ！待ってるから」

「じゃあまた、夜ね！チョロ松もいろいろ頑張ってね～」

頑張って、って好きな人は君なんだけどな、なんて言えるはずもなく、玄関でAに手を振る。

「ドンマイ、シコ松にーさん」

Aの姿が見えなくなってから、トド松が肩をすくめる。

「あれじゃ全然わかってないね、兄さんの気持ち」

「シコ松言うな！てか何、気持ちって」

「好きなんでしょ？Aちゃんのこと」

ズバリ、とトド松に指摘される。

「なっ…」

ばれてたんだ…。さすがトド松。
それとも僕がわかりやすいの？

「でも無理でしょー。僕たちニートでdtだよ？」

「それなら」
それならアイツだって、一緒でしょ。

「え？」

「ううん、なんでもない。てか他の奴にこのこと言ったら…」

「わかってるよ」苦笑いして、トド松は出て行った。