−531−手紙_時透無一郎 ページ31
時透 無一郎 殿
この手紙を読んでいるという事はきっと
私はこの世に、皆の元に居ないと言う事だね
まず初めに、君達を置いて逝ってしまうのを
どうか許して欲しい
無一郎に初めて会ったのはまた鬼殺隊に入る前
お兄さんが生きているときだったな
あまね様と訪れてお兄さんが水をかけて
私と言い合いになっているのを泣きながら止めてくれたな
あの時はすまなかったな...
それから鬼に襲われたと聞いて正直肝が冷えたよ
あまね様と助けに行った時君はボロボロで
ショックから記憶が無くなってしまったと
御館様から聞いた時悲しくて、でも辛い事を忘れるならと
凄く複雑な気持ちになったよ
刀を握ってすぐ柱になった君はどれだけ鍛錬して
どれだけ自分を追い込んできたんだろうと考えて
それは私の想像を絶する過酷なものだったんだろうと
そう君の手を見て気づいた。心が痛かったよ
だけど記憶が戻ったって聞いて本当に嬉しかった
無常さんと笑って呼んでくれる君は弟みたいで
とても心が暖かくなった
ごめんな、約束したのに、約束を守れなくて
生きて炭治郎と幸せになるって約束したのに
でも私の幸せを願ってくれてありがとう
今度は私が君の幸せを願う番だ
だからどうか前を向いて幸せになってくれ
姉のように慕ってくれてありがとう
無常 A
┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ボロボロと手紙に零れ落ちる涙は
どんどん手紙を濡らしていく
鬼殺隊に入る前から良くしてくれていた無常
記憶を失って失礼な態度をとってしまった時でさえ
優しく笑って許してくれた
無一郎「無常さん...無常さん...帰って来てよっ...ねぇ...僕...ッ...ちゃんとお礼...言えてないじゃん...ッ...」
無常の家に来るのが遅れてしまった時透は
ちゃんと伝えられなかったと悔やみ拳を握る
無常の家に来る道中で
荷物を持った老夫婦を助けていた時透
A「私の方こそありがとう、どうか笑ってくれ」_
そんな優しい声が響く
何処までも優しい無常の声に
時透の涙は更に溢れて止まらない
無一郎「無常さん...ッ...笑うから...戻ってきてよ...っ...」
泣き崩れる時透の背を
不死川は優しく撫でた
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メア様推しの人 - これって現在パロ?てないんですか? (6月2日 16時) (レス) @page45 id: b2dbf5b4a0 (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - たまたま見つけたお話でこんなに泣くとは思いませんでした!素敵な作品でとっても感動しました。続編見てきます! (5月23日 19時) (レス) @page45 id: 87b97eb6cb (このIDを非表示/違反報告)
らら - ほんっとに小説で泣けない私なのにぼろなきしちゃうくらい素晴らしい作品をありがとうです!!今から全力で現代読んできます!! (2022年1月1日 16時) (レス) @page45 id: 593b9c77e0 (このIDを非表示/違反報告)
Yu-grena(プロフ) - ミラー☆さん» ミラー☆様!わぁぁぁ!ありがとうございます!手紙のところは私なりに力を入れた部分なので、そう言っていただけて本当嬉しいです!🙏✨こちらこそ、一章から九章まで読んでくださり、ありがとうございます! (2021年9月28日 1時) (レス) id: 5ec0d29db1 (このIDを非表示/違反報告)
Yu-grena(プロフ) - 凛華さん» 凛華様!ほっ、本当ですか…!?めちゃくちゃ嬉しいです…😭そう言って頂き、本当にありがとうございます! (2021年9月28日 1時) (レス) id: 5ec0d29db1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Yu-grena | 作成日時:2021年2月13日 23時