file:9可愛い子猫 ページ10
「先生、猫飼ったのか」
『え』
ふと目の前でカラ松がそう尋ねてきた。いや、尋ねているというよりは、
『どうして、わかったんです？』
「前にも言ったと思うが、猫の毛が付いているぞ？あと手の甲や手首に小さな引っ掻き傷」
『あ..』
彼の指差す先には私の傷だらけの手。相変わらずよく見ている人だ。
「あの捨て猫か？」
『はい、やはり放っておけなくて』
「だから言っただろう？あまり構いすぎると愛着が湧いてしまうと」
呆れているのか、それとも面白がっているのか。彼は妙に優しい目付きで見つめ肩を竦めている。
『..あ、良かったら見てください。ほら、シャンプーしてあげたんです』
私は彼にケータイの待受画面を見せた。拾うまで泥だらけのみすぼらしい子猫が、画面の中ではしっかりとシャンプーしふわふわな毛並みとなっている。
うん、拾ってほんとうに良かった。あのままでは病気になってしまうしいずれは死んでしまっていたから。
『拾って本当によかったです。このまま順調に育ってくれたら..』
「先生は優しいんだな」
『え、そうですか..？』
カラ松は脚を組む。
「先生はおそらく好きだろう。ホームページ等で傷付いた猫を拾い、徐々に回復していく様子を見たり、とか」
『ええ、好きですよ。あ、そうだ私よくこの人のホームページ見ているんですが..最近怪我した猫を拾ったみたいで、今順調に回復しているらしくて』
「みせてくれ」
すぅ、とカラ松の目が細められた。
少しどきりとしながらも、そのホームページを見せる。すると彼は拘束された手で器用に画面をスライドし、書き込みを次々と確認していく。やがて、
彼は怪訝そうに画面を睨み付けた。
「先生。こいつのホームページはもう見ない方がいい。
... よーーく写真を見てみろ。特に飼い主の手をな」
『え...』
言われるがまま、私は書き込みの日にち等を遡った。もちろん写真に写る猫と飼い主の手に注目しながら。
最初はよくわからなかったが、
何度も見比べるうちにあることに気付いた。
(拾った日...夏なのに、長袖だ)
8/15と記録されている記事に写る猫は、酷い怪我をし目も開けられていない。だがその猫を支える飼い主の手は、手首まできっちりと袖が通されている。おかしい。
一方11/5と記録されている記事の写真。猫は怪我も癒えているように見える。だが飼い主の手首はーー。
(半袖...？？)
おかしい。逆だ。
まさか、まさか
恐る恐るカラ松を見上げる。
「その猫、恐らく死んでしまっただろうな」
続く (更新停止中)
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晴佳(プロフ) - サイコパスなカラ松大好きなので更新待ってます！！！！ (2019年9月29日 12時) (
レス) id: 7c4023ab1d (このIDを非表示/違反報告)
柳 - こういうカラ松も好き (2019年7月23日 11時) (携帯から) (レス) id: d7f028195c (このIDを非表示/違反報告)
雪麻呂(プロフ) - イヴさん» わぁぁあありがとうございます！久しぶりに更新しました..ネタが浮かび次第どんどん更新します！応援ありがとうございます！！ (2019年3月31日 10時) (レス) id: 0884fb0e0f (このIDを非表示/違反報告)
イヴ - こ、こ、更新されてる！？！？この作品大好きでずっと待ってました！！！ありがとうございます！！！これからもずっと応援してます！！！ほんとにほんとに大好きです！！！！ (2019年3月30日 16時) (レス) id: d343ad7b32 (このIDを非表示/違反報告)
麗音 - カラ松と言うことが同じなんだが サイコパスなのかな……？ (2018年9月8日 13時) (レス) id: b0321fd403 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪麻呂 | 作成日時：2016年12月2日 23時
