file:7 愛情 ページ8
『ーーまた、か』
私はまた溜息を吐いた。
新聞に載るのは親から子供への虐待の記事。
何故こうも虐待というのは一向に減らないのだろうか。
(ーーあの人は、どう思うんだろう)
あの猫の話の時のように、興味を持たないのか。
それとも家族の話をした時のように、どこか不安になる表情になるのだろうか。
『ーー最近、多いですよね...虐待』
ちら、と彼に尋ねる。
カラ松はその記事をまじまじと見つめており、顔が伏せているため表情はわからない。
「.....」
かさ、と新聞を折り畳みカラ松は静かに顔を上げた。
『カラ松さ....』
「先生はどんな返事を聞きたいんだ？」
『え、』
「先生は俺にどうして欲しいんだ？
憐れんで欲しいのか？
笑って欲しいのか？」
予想外の返答に私は言葉に詰まった。
「サイコ野郎の考えが気になるのかな？」
ニコッ、とカラ松は笑う。
怒らせて、しまったか。
『いえ、その...
....私はただ、知りたいんです。
サイコパスではなく、
松野カラ松の考えが』
「...俺の、ねぇ」
カラ松は静かに笑った。
「ーーーそんなのもの、俺たちがそう簡単に割り込んでいいものじゃあ無いだろう
...中には虐待を受けて悲しむ子供もいる。
そして、
虐待を受けることこそが、自分自身のアイデンティティと考える子供もいるわけだ」
『....』
「考えてもみろよ。
物心ついた頃から虐待を受けていたらどうなる？
それこそがその子供にとっての
《普通》で、《アイデンティティ》で、
《最高の愛情表現》じゃないか？」
カラ松はそう言い終わると、
ゆっくりと脚を組んだ。
「ま、虐待をしている親の気持ちは考える気もないが。
...俺にも子供がいたらわかるかなぁ」
くつくつと笑うカラ松に、私は『そうですか...』としか言えなかった。
『カラ松さんは、
...カラ松さんはもし自分に子供がいたとして、その子を虐待しようとか考えますか？』
「さぁ？
...ま、普段はそこら辺の子供をどうしようとかは考えないからな」
『...そう、ですか』
「だが」
カラ松は眩しい笑顔で言った。
「もし俺の子供がとても愛おしく感じる事が出来れば、
その子に手を上げる奴はぶっ殺してやるがな」
本気とも冗談とも聞こえるその言葉に私は冷や汗を流した。
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晴佳(プロフ) - サイコパスなカラ松大好きなので更新待ってます！！！！ (2019年9月29日 12時) (
レス) id: 7c4023ab1d (このIDを非表示/違反報告)
柳 - こういうカラ松も好き (2019年7月23日 11時) (携帯から) (レス) id: d7f028195c (このIDを非表示/違反報告)
雪麻呂(プロフ) - イヴさん» わぁぁあありがとうございます！久しぶりに更新しました..ネタが浮かび次第どんどん更新します！応援ありがとうございます！！ (2019年3月31日 10時) (レス) id: 0884fb0e0f (このIDを非表示/違反報告)
イヴ - こ、こ、更新されてる！？！？この作品大好きでずっと待ってました！！！ありがとうございます！！！これからもずっと応援してます！！！ほんとにほんとに大好きです！！！！ (2019年3月30日 16時) (レス) id: d343ad7b32 (このIDを非表示/違反報告)
麗音 - カラ松と言うことが同じなんだが サイコパスなのかな……？ (2018年9月8日 13時) (レス) id: b0321fd403 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪麻呂 | 作成日時：2016年12月2日 23時
