頼むから勉強させろ［番外編］【朔間凛月】 (ページ26)

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低すぎて一瞬誰の声かわからなかった。

『……ひっ！？』

恐る恐る声の主を見ると、見たことも無い顔でこちらを見つめる朔間。

有「先輩…私には何も言ってくれなかったのに、月永さんが強請っただけでそんなあっさりあげちゃうんですか…？」

朔「そーそー。未来ちゃんの言う通り。

不公平じゃない？そういうのってさぁ、」

ﾀﾞｧﾝｯと音をたてて私の後ろの壁に手を着く朔間。冷や汗が止まらない。

忘れてた。こいつのお兄ちゃんはグランドピアノを上げ下げできるくらいには力があるんだった。そしてこいつにもそれなりの力があることも忘れてた。おかげで今レッスン室の防音壁がミシッていった。そんなほっそい体のどこからそんな力が出てくるんだ。

『まっ、て…一旦落ち着い…っていうかレッスン！もうレッスンしないと…！』

朔「え、こんな状況でレッスン出来ると思ってんの？Aってたまにほんと馬鹿になるよね。今の雰囲気が大丈夫だと思えるAの目抉り抜いてあげようか？俺のと1個取り替える？？ふふ、お揃いだねぇ。兄者と違いつけられるしオッドアイってみかりんと一緒だから得した気分…♪」

待って怖い。めっちゃ怖い。本当に怖い。

始終笑顔でなんて恐ろしいこと言うんだ。前言撤回します綺麗な顔でとんでもないこと言う人間第2号いました。

月「え～、くれないの？」

『ちょっと本気で黙っててください。』

朔「ねえ、よそ見してる場合？俺はいつだってあんたの眼球狙ってるんだよ？？」

『待っっって本当に目取るの！？』

朔「俺は約束だけは死んでも守るからね。」

『その台詞言うところ違う！！そもそもそんな約束してないでしょ！！！』

月「A～、」

『だっっから黙ってて言ってるでしょぉ！？先輩とは後で話つけますから』

月「違う違う。隣。」

『隣…？っあ、』

瀬「楽しそうだねぇ、ちびっ子♡」

ﾋｮ｡

当然事情を説明しても理解はされず、私の足は正座のしすぎでぶっ壊れましたとさ。

ちなみにもともとKnightsの皆にブロマイドは渡っていたそうで、ならなぜ月組があんなに欲しがっていたかと言うと、

「自力で手に入れた方が、先輩が私を意識してくれるかも！」

という未来ちゃんの前向きな発言が、朔間とレオ先輩に火をつけたらしい。なるちゃんと司くんはその戯れに巻き込まれたそうな。

………え、これ私悪くなくね？？？(結論)