頼むから勉強させろ［番外編］【朔間凛月】 (ページ17)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:21,344 hit

・ページ17

「どこ行きたいー？」

「あっちー！」

「あっちね、じゃあ行こっか。ついでに何か甘いもの買ってあげる。」

「おねーちゃん大好き！」

あー…なんか教室の外からじゃれてる姉妹の声がする。

かわいいなぁ。私にもあんな時期があっ

ﾀﾞｧﾝｯ

衣「……聞いてんのか？」

『ﾋｮｯ…』

ヤバい現実逃避してて何一つ聞いてなかった。

学校は文化祭で大賑わい。

かたや私は、静かな空き教室で説教中。あ、受けるほうね。

夢ノ咲学院公式総合1位、衣更真緒からの壁ドン＆上から目線付き！わぁいドM歓喜だね！！ちなみに私はMじゃないから怖いだけだよ！！文章にしたら面白いかなとか思ってたけどなんにも面白くないねこの野郎！！

そして衣更くん、何か喋ってくれないかな？私今すぐに膝が大笑いしそうなくらい怖いんだけども。

普段女子との距離感を誰よりも気にしてくれる衣更の顔が今はクッッッッッッソ近いところにあるんだわ。イケメン。イケメンだからこそ私の顔をそんなクッッッッッッソ近いところから見ないで欲しい。死にたくなるから。

「そんな見ないでおくれ…」という気持ちを込めてぎゅっと目を瞑ると、頭上からあからさまに大きなため息が聞こえてきた。

『……？？』

恐る恐る目を開けると、衣更はいつも通りの困り顔でいつも通りの距離感で立っている。