episode４５ ページ47
特に公園に足を運んでは、「子供たちと仲良くなれたの〜」なんて幸せそうに私に話してきた。
でもやはり、自分の親の会社によってその公園が消えてしまうという事実はあり、申し訳ないとも言っていた。
別に姉、父親も、天祥院財閥も悪いことをしているわけではないのに。
一部の地域の住人からは「お前らが大切な場所を壊すんだ」と言わんばかりの非難の眼差しを向けられている。
どうやら例の公園はかなり歴史があるらしく、ビルばかりが並ぶ街でほとんど唯一残った「昔ながら」の公共の場所だという。
無邪気に遊ぶ何も知らない子供たちを尻目に、大人たちは不平不満を並べていた。
それは、私や姉にも届いていた。
姉は「せめて子供たちに何かしてあげたい」「花をいっぱい買ってあげたい」とか言ってそういった"消えてしまう"施設に足を運んでいたけれど、私は違う。
そんなクレームを聞くのが嫌になり、気付けば「ESなんてものが作られなければ、お父さんの会社だってこんな文句言われなかったのに」と、アイドルという概念に対して逆恨みをするようになった。
しょうもない、くだらない、子供じみた理由だ。
でも、だから私は、同級生みんなが夢中になるアイドルに一切興味を持つことはなかった。
そんなとき、働き始めたカフェで、一途にアイドルを追い続けるAに出会った。
いままでさんざん「悪者」扱いをされていたように錯覚していた私は、少し心が荒んでいた。
アイドルを好き、というだけで仲良くしたくない、とすら思うほど。
でも、そんな私にも優しく接してくれるAが、気付けば私にとって太陽のように眩しくて、きらきらした存在になっていた。
ああ、この子と一緒にいたいな。
自然とそう思ったほどだった。
驚いたことに、彼女が好きな瀬名泉というアイドルは、昔姉が会っていた「公園の子供」のひとりだったらしい。
ある日テレビを見ていたらKnightsが出ていて、姉に「この人たちうちのカフェ来たんだよ」と話すと、姉は驚いたようだった。
「瀬名くんが？ ……そっか、アイドルになってたんだ」
話を聞けば、以前中学生だった彼といろいろ話をしたり、相談に乗ったりしていたらしい。
具体的な内容は教えてくれなかったけれど、トップアイドルと会っていたなんて、と驚いた。
しかしここでさらに驚愕の事実を知る。
「え、Aちゃんじゃない？ このメイドさん」
姉の口から、大親友の名前が出たのだった。
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咲愛(プロフ) - ﾂｷさん» コメントありがとうございます！始まった頃から読んでいただけているとは、大変うれしいです！続きは本日中に公開出来たらと思ってますので、ぜひぜひ今後ともよろしくお願いします！ (2023年2月22日 16時) (
レス) id: 8b89f62398 (このIDを非表示/違反報告)
ﾂｷ(プロフ) - この作品が始まった頃から楽しく読ませて頂いてます！毎日更新が楽しみで素敵な作品に出会えたなと思いました！続き楽しみに待ってます！ (2023年2月21日 22時) (レス) @page50 id: 56454ebf31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲愛 | 作成日時：2023年1月27日 12時
