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朔間は私の頭を軽く叩いて、呟く。「お前の頑張りを知っておきながら、怒れるわけね〜だろ」。朔間の口から出たとは思えない発言に えっ、と顔を上げると案の定朔間は私を見ていて、瞳の奥が交わった。
ドクン、ドクンと一定のリズムを刻んでいる心臓の音が全身に響くようだ。そのくらい静かな空間に聞こえるのは外部活の掛け声ぐらいだろう。夕日に染まる教室は少女漫画でいつか見て憧れていたような気もするが実際は息も詰まりそうなほど苦しかった。朔間の優しさが。
「お前はよく頑張ったよ、ほら この俺様が慰めてやる」
俺が慰めてやるんだからこれ以上メソメソすんじゃね〜ぞ？すぐ帰れ、と私の頭を優しく撫でた朔間。「どうせ生徒会の下校指導に引っかかるからでしょ」と素直になれずに言い返してみれば 半分はそうだな、と笑われた。気が狂う男だなあ、と私は朔間を睨みつけたのだった。
「まあ、なんかお前か落ち込んでると嫌なんだよ、俺も」
「、なに…それ」
カァッと熱くなるような。なんだかこいつの前では何もかもを見抜かされてるように怖かった。「泣いてるとブスになんぞ」と確か以前も泣いているところを慰めてもらったような、少し記憶の端っこにあるものを引っ張りだした。
「お前は、笑ってる方がいいぞ」
頬を摘んでは、「太ったな」なんて笑い飛ばして 私から離れる。
余計なお世話だと言い返した私に朔間は愉快に笑う。
(…そんな笑い方するんだ、朔間って)
「また明日な、A」
それはまるで確信犯かのように。名前を知っていたのかと不意打ちに赤くなる私を見て満足ですと言わんばかりに朔間零は離れていった。熱くなった頬は、まだ冷めない。
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作者名：あんさんぶるParty！ x他3人 | 作者ホームページ：なし
作成日時：2017年10月31日 20時
