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看護師がすれ違いざまに一礼した。
「……」
……わ！めっちゃイケメンやん！なに！
……ええ！顔がいい！やばい！
という心の声が聞こえてきた。
真顔で通り過ぎたのに心ではテンション高い。看護師さんってポーカーフェイス。
……ナース服……なぜスカートじゃなくなったんだろうな……キャーキャー言われても嬉しさ三割引きだわ……
看護師にイケメンって言われて、嬉しいはずの櫻井さんの声が聞こえてきて後ろからポカリと殴ってやろうとしたら後ろからも声が！
……スカートじゃないんだ！ざんねーん！
相葉さん心の声ただ漏れ。
……ナースキャップ、衛生上の問題とかで廃止になったのはいいけどあれ良かったのになぁ、世知辛い世の中だ！あ、Aに聞こえたかな？やだもうえっち。
二宮さんと目があった。ウインクしてきた。
心で話しかけてくるなんて何考えてるの。
受信できないくせに！
……あー……昼寝してぇ。
大野さんはなぜこんないつも眠いのか。
……新館には特に妙な感じはしないな、……河東事務長に憑いてる奴は気になるけど大野さんがいるから見えづらいな……
ああ、松本さんまじめ。
私の心のオアシスだわ。
エレベーターに乗り込んだら河東事務長が私達をくるんと振り返った。
「あの……今日はどういったご用件で……」
……警察は……困る……
結構ハッキリした声が聞こえてきて櫻井さんと目を合わせた。
「僕らも上からの指示で伺ったような状態で。詳細は今から院長にお聞きするつもりです」
櫻井さんがそう説明した。
「あ、そうなんですね」
「しかし……随分大きい病院ですね」
「まあそうですね、このあたりでは市民病院の次に大きいですかね」
「入院患者さんもたくさんいらっしゃるのかな……」
「まぁ病床数は300くらいなんですけど全然足りてへん状態です」
「あちらの旧館がきれいになったらもう少し増やせそうですか、見たところ工事予定みたいでしたけど」
櫻井さんがさりげなく水を向ける。
エレベーターを降りて歩き出すのをついていく。
「ああ、あちらはご覧になられたんですか？」
「ええ、こちらに来る前に旧館の前を通って来たもので」
「裏から入ってこられたんですか」
「あちらは裏なんですね」
「はい、あ、ちょっとお待ちください」
そう言って河東事務長は院長室をノックした。
「大野様とお連れ様が来られました」
「どうぞ」
中から低い声が聞こえてきた。
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2018年8月10日 13時
