ま ページ22
家に帰ってからも、なぜか突然髪を洗ってる途中とかに二宮くんのことを思い出してなんだか胸の奥がくすぐったくて、変な気持ち。
この気持ちなんだろう。
遠い昔にこんな気持ちになったことある気がするけど思い出せない。
きゅー、ってやつ。
きゅーん？待って？なに？
漫画でよく見る！ときめいてるってやつ？
鏡の自分と目があった。
そうだ、思い出した。
前にこんな気持ちになったひと！
……ハウルだわ……！
私の初恋の相手！二次元だけど！
うそでしょ。
うそだ。
だって二宮くんは。
はっきり聞いてないけど、多分相葉くんのことが好きで……
気のせいだよね、気のせい気のせい……
そう言い聞かせて、髪を乾かしてからベッドに潜り込む。
一緒に遊びに行くの土曜だった。
明後日。
服どうしよう。
寝ようとしたのにまた起き上がる。
何がいいかな。
可愛い方が好きかな。
……二宮くんがよ！二宮くんの好きそうなのを探して着て、気に入ったら洗ってからあげてもいいし！
二宮くんに似合いそうなの……
白いワンピとか似合いそう。
白いシャツ似合うもんね。
………………
寝よ。なんだか無性に虚しくなってきた。
なかなか眠れなくて、やっと眠れたらすぐ朝だった。ぐっすり寝てた。
だるい体を起こして会社に行く用意をして、会社の近くの駅についたら、二宮くんと同じ電車だったみたいで、背中を見つけた！
声をかけようと近づいて行ったら、二宮くんが早足になった。
私も早足で追いかけて、追いつくか、という時に。
二宮くんが嬉しそうに、前の人の肩を叩いたのを見て、つい足を止める。
「おはよ！」
「あ！ニノ！おはよ！」
……あ、相葉くんだ。
「相葉さん、一緒だったんだ電車」
「いつもの車両乗れなくて！」
「どおりでいないとおもった」
二宮くんが、幸せそうに笑った。
「ねむ」
「昨日何してたの？」
「……内緒」
「……」
「ニノは？」
「Aとご飯行った」
「うっそ！」
「すっげ、仲良くなった」
「マジで！すげーニノ！」
背中が見えなくなった。
声も聞こえなくなった。
二人で笑いあってる姿を見て、
初めて、相葉くんを、ずるいと思った。
私が声を掛けたかった。
おはよう、昨日ありがとうって。
胸がぎゅーっと苦しい。
これは、叶わぬ恋をしてる二宮くんの気持ちを思ってなんだ、きっと。
二宮くんの恋が叶いますように。
二宮くんが幸せになりますように。
心からそう思うのに、なぜか。
それが、イタイ。
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年6月17日 4時
