baby*9 ページ10
仕事を終え、更衣室(女子は私しかいないからもはや私のもの)でエプロンを外していたときだった。
『オレのメアド。オレの好きな作者の話、まともに付き合える奴いねぇんだよ。後で連絡しろ』
昼間の花宮の言葉を思い出した。
ポケットに手を突っ込むと紙切れが当たり、
それを取り出してみる。
紙ナプキンにボールペンか何かのインクで、
番号とアルファベットが並んだものが
流れるような字で書き込まれていた。
意外と字が綺麗だなと思いつつ、
これをどう処理しようか迷う。
「(捨てるのはまずいかな……いや、でも相手はあの悪童だし、どうせロクなことないだろうし…)」
「おいAー!ちゃっちゃと着替えろって虹村さんが言ってる」
「あ、ごめん。今行くー!」
灰崎の声に慌てた私は
とりあえずそれをカバンに突っ込んで、
急いで着替えを始めた。
それは本当に気まぐれだった。
男と仲良くなれるかもみたいな
下心とかそんなものは一切なくて
ただなんとなく。
本当になんとなく、
私は自宅に帰って、
彼のメールアドレスに空メールを送ったのだ。
しばらくして返信がきたときは
何故だかドキドキしてしまった。
[空メールとかマジで色気ねぇなお前]
[余計なお世話です]
わざわざメールしてやったというのに
失礼な内容の返事にイラっときた私は、
即座にそう打ち込んで送ってやった。
するとまたスマホがバイブする。
[子供は寝る時間だろ。寝ろ。おやすみ]
なんなんだこいつは!!!
どんだけマイペースなんだ、
そもそもおやすみとか言うキャラなのか。
色々と釈然としなかったけれど、
一応仮にも向こうは先輩だから
おやすみなさいと送信して、私はベッドに入った。
1518人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
チベスナ(プロフ) - この作品で花宮さんめっちゃ好きになりました....執着からくる一途さがもう素晴らしい、何より花宮さんぽい恋愛すぎて尊い(語彙力) (2020年9月10日 2時) (レス) id: d26d5f7a91 (このIDを非表示/違反報告)
ミズキ - もうやばいめっちゃ名作じゃないですかああああ花みゃーが格好良すぎる…そりゃ一日で殿堂入りしますよこれは! (2020年3月10日 19時) (レス) id: da8ce484b3 (このIDを非表示/違反報告)
ミズキ - 5話でやっと名前が「(名前)」のままだったことに気づいた我。ていうナニコレ序盤でもうにやけが止まらなさすぎるんですけど…神ですか? (2020年3月10日 18時) (レス) id: da8ce484b3 (このIDを非表示/違反報告)
き - 感動したーーーーーーー!!!! (2019年11月27日 20時) (レス) id: d95af1f9f8 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 最高過ぎです。語彙力どうでもいいぐらい最高です。最後の高尾何なんですか?涙が出そうでしたよ? 本当作者さん何で高尾をもっとイケメンにさせちゃうんですか??? (2019年5月2日 23時) (レス) id: 1dd2715002 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:モブA | 作成日時:2015年2月28日 0時