4 闇に溶け込む ページ5
「ええ⁉エクソシストを捕まえてこい、ですか⁉いや旦那、それはさすがに無理が……。いくら報酬弾むと言われてもねぇ……あぁ、それならまだいくらかマシだ、それなら引き受けましょう」
男は受話器を置くとため息をつく。
雇い主がかなりの難題を押し付けてきたらしく電話で何度も断っていたが、どうにも相手が折れないので仕方なく引き受けたようだった。
男はいわゆるブローカーというやつで、人間であるにも関わらずノアや千年公達の味方をする者だ。報酬が貰えるといえど相手からすれば使い捨ての道具にすぎないというのに目先の金に釣られるところはどうにも人間らしい。
そんな自分に自嘲しながら男は煙草を吹かす。全く自分は仕方ない奴だ。借金に困り人を殺めたかと思えば次は人類の敵に手を貸そうとしている。
「あーあ、神さんはお怒りだろうな」
けれど、不思議とそんな仕事が嫌いではなかった。寧ろ天職かもしれないと思っていた。
人を殺めることは苦痛でもないし手軽にできた。
つくづく人間として最低で最悪だ。
そんな自分は裁きを受けるべきなのかもしれない。それはそれで構わない。数々の罪を重ねてきただけに仕事中に何が起こっても受け止めるだけの覚悟はある。
「ターゲットは神田ユウ…….何故か再生する身体を持ち、戦闘能力は高い。真っ向勝負は避けたいな……他の情報は？」
千年公から送られてきた資料をめくる。すると彼の弱点らしい一文で目が止まった。《喫茶店に通っており、その目的は店長の少女か》
「……へぇ、女がいるのか。中々いい女じゃないか。じゃあコイツをダシに誘き寄せるのが一番手っ取り早いな」
男は気づいていなかった、自らの中に喜びが湧き上がっていくのに。
その姿は獲物を目の前にして興奮を隠せない獣と変わらない。
「ふんふん、見たところここの近くの村だな……名前はAというのか、狭い村だ、すぐに見つかるだろう」
千年公はあの廃墟に神田ユウを誘き寄せればいいと言っていた。その後は自分達がどうにかするから気にするな、と。
ならば悩むことはない。女を使えばいい。
「あー、エクソシストってのは自分の女が捕らえられてるの見てどんな顔するんだろうなァ」
あぁ、楽しみで仕方ない。
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湫(プロフ) - 神田ユエさん» こちらこそ拙い作品に最後までお付き合いいただきありがとうございました！応援メッセージもとても嬉しかったです、気が向いたらまた番外編を更新するかもしれませんのでよろしくお願いします。 (2016年7月23日 13時) (
レス) id: e79bcec08f (このIDを非表示/違反報告)
神田ユエ - 感動をありがとうございました！ (2016年7月23日 11時) (レス) id: 1e0d488be5 (このIDを非表示/違反報告)
湫(プロフ) - アイアさん» お返事遅れてすみません。更新は相変わらずノロマですが見放さず最後まで見届けていただけると幸いです。 (2016年5月24日 16時) (レス) id: e79bcec08f (このIDを非表示/違反報告)
アイア - 更新、頑張ってくださいね！無理はなさらないよう体調も崩さないように気をつけてください。お待ちしております (2016年5月5日 23時) (レス) id: ef2d1622aa (このIDを非表示/違反報告)
湫(プロフ) - 名無しさん» 更新は不定期になりがちで申し訳ないです。月に一度は必ず更新するので気長に待っていただけると幸いです (2016年4月25日 19時) (レス) id: e79bcec08f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：湫 | 作成日時：2016年3月23日 9時
