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とある戦者の＿＿ ページ6
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何故今までそのことに気が付かなかったのか。それは、自分自身が死を拒んだからだろう。
そのせいで、何年も何年も時を忘れて、彼はここで待ち続けていたのだ。
それも、もう、終わりだ。
「……ありがとう……二人とも……」
祈る二人の頭に、そっと手を置いた。……と。何かに気がついたかのように、真田が顔を上げる。
「……弦一郎？」
「……いや……すまん、蓮二。……幸村の声が聞こえた気がしてな。」
「！」
本当に、自分の声に気づいたというのだろうか。
……いや、そうでなくても、いい。
「……もう、寂しくないよ。」
君たちを待っていて、よかった。本当に、よかった。
「ありがとう……」
彼はもう一度そう呟いて、すうと涙をひとつ伝わせた。
紅の壁に手向けられた菊は、彼を想い風に揺れる、揺れる。
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END.
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作者名：幻想曲 | 作者ホームページ：http://uranai.amanoboru
作成日時：2016年2月17日 3時
