星空の下で (ページ26)

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第24話ページ26

ずっと手を組んだまま微動だにしなかった社長が、顔を上げる。

「Ms.豊城、Youに新しい仕事デーース！」
「新しい仕事、ですか？」
そう聞き返すと、林檎ちゃんと龍也さんが付け足す。

「そう！Aちゃんに、交流会の依頼よ～」
「まぁ仕事って言ってもほぼボランティアみたいなもんだけどな。うちの事務所が毎年参加してんだ」

聞けばそれは、太平洋を飛び超えてアメリカで開催されるらしい。

とはいっても、非公開の行事なのであくまで現地の人々との交流がメインだ。新人アイドルに舞台慣れをさせる意味で開催されたのがきっかけらしい。私には、みんなの前で得意楽器を演奏してほしいとの事だった。

みんなの前で演奏か…。なんだか久しぶりだな。

「Aちゃんの得意楽器は琴だったわよね？海外で生活していたこともあったって聞いてるわ」

「そこで、だ。アメリカに飛んで、そこで琴を披露してほしい。やってくれるか？」

「はい！是非、やらせてください」

すると、龍也さんが優しく目を細めて微笑む。

「そうか。詳しいことはまた後で連絡する。頼んだぞ、A」

こうして、私のアメリカ行きが決まったのだった。