【m.s.s.p】私が推しの4人らにモテるはずがない (ページ12)

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11時間目ページ12

がさごそと紙袋の中身を取り出して見ると。

『…！』

ここの学校の制服だった。
青、黄、赤、緑の4色が入った黒チェックのスカート。
他の学校の制服とは違って明らかに誰もが着たがる可愛いデザインだった。
こんな可愛いものをこの私が着るとか馬子にも衣装すぎる。

『お、おいくらですか…』

K「だからいらないって！…あ、着なかったら支払ってもらおうかな」

『え、えぇぇ…』

がくがくと足が震えて来た。
なんなんですかこの人達は…。
なんでそんなきらっきらと輝いた笑顔でこっちに向けてくるんですか。
なんなんですかこの特等席は…。

K「てなわけで、放課後はぜっっっっったいに先に帰らないでね！わかった！？」

『は、はいぃっ！』

ぺこぺこと何度も頭を下げてハッ、とする。
そうだ。せっかく持ってきたのに渡さないのはさすがに…。

『あ、あの…！』

どうした？と4人が一斉にこっちを向く。
うぉぉ…みんなビジュアルが素敵すぎる。…じゃなくてだな。
トートバッグから丁寧にラッピングした箱を4つ取り出して一人ずつ手渡した。

中身はまぁ…。無難に簡易的な手作り生キャラメルだ。
甘いのダメだったら推しに土下座プレイするだけだ。うん。

F「ありがと！中身何入ってんの？」

『な、生きゃ、キャラメルを作ってみました…』

E「生キャラメル？まじで？」

おっと、江尾くんが食いついたぞ。その笑顔は私に効く…！

A「ん…んまいな」

『…！』

F「まじで？いただきまーす。…おぉ！うまい！」

まじで？と菊池先輩も食べ始める。
ああ…私の前でわざわざ食べてくれるんですか。
気を使って美味しいって言ってくれてるんだろうか…。
あれ、でもみんな一気に食べてません？あれ？そんなにやばかった…？

F「やべ、全部食っちった」

E「俺もあと1個しかない」

A「食い過ぎなんだよお前ら…あれ俺も2個だ」

K「…お前らにやらねえぞ！？」

菊池先輩が慌ててカバンに閉まってしまった。
よこせー！と風吹先輩がわちゃわちゃしているが、すぐに先生が教室に入ってきて授業が始まってしまった。

『…？』

授業中に前の席に座っている香坂くんがいきなり私の目の前にメモ帳を置いてきた。

美味かったからまた作って。

…ぶはっ(吐血)
やめてくださいよ。勘違いしちゃいますよこんなの渡されたら。
思わず私は机に伏せて脳内で唸っていた。
ちくしょう。ちきしょう。なぜ香坂くんこんなキュンなことをさせやがるんですか。
それなのに毒舌って…ずるい。