調査書 NO.03 ページ4
｢よぉ、少しはマシな面構えになったじゃねーか｣
｢そうですか？元からこんな顔してますけど｣
リヴァイの側に立っている茶髪の女性兵士は、なんて口の利き方するのよ！と目をまん丸にさせていた。
｢それでA、内容は読めたか？｣
｢はい、粗方は読めました。つまり上はこの設立を快く思ってない訳ですね？｣
｢あぁそうだ。調査兵団に置く暇があるのなら、コチラに寄越せと憲兵団がうるさくてな｣
｢脳みそ詰まってるんですかねぇ憲兵団の人達は。そろそろ呆れてきましたよ｣
｢あっ、あの！｣
｢どうしたペトラ｣
声を少し震わせながら尋ねてきた女性兵士は、ペトラと呼ばれた。内容は、3人の話の中身が全く分からないということだった。
｢それより、この子は一体誰ですか？見た感じ新兵ですけど｣
｢私は、A・ナイトレイと申します。まぁ…訳あって訓練兵の前から少し調査兵団とは顔馴染みでして。
私は医療について詳しい方なので、今度新しく設立されることになった医療班、という班に配属される予定なのですが…｣
｢それがどうかしたの？｣
｢上層部が設立に何故か反対してましてですね｣
少し苦笑いしながらそういったAにペトラは首を捻る。詳しく話そうとするとエルヴィンに止められた。あまり、周りには知られたくないからだとだけ言い、再び机に向かって仕事を始めた。
残された3人は顔を見合わせる。リヴァイは無言で立ち去りペトラとAもそれに続いた
｢ペトラ、こいつをハンジのところまで連れて行け。それが終わったら持ち場にもどれ｣
｢分かりました！｣
リヴァイが立ち去るのを見送ってから、ペトラは興味津々にAに問い立てた。
｢A、あの二人に向かってあんな口の利き方出来るなんて、只者じゃないわね！どういう関係なの？｣
｢えっと……、話すと長くなるのですが｣
｢端的にまとめて！｣
そんな無茶なこと言うな、とAは困った。これは掻い摘んで話すと、その分ややこしくなるのだ。
首をひねっていると、ハンジがやってくるのが分かった。なにせ声がとにかく大きいのだから
｢二人ともこんな所で何してるんだ？｣
｢ハンジ分隊長お疲れ様です！｣
｢そんな固くならなくてもいいよ。んで何してたんだ？｣
｢私の、過去？の話を聞きたいとペトラさんがおっしゃるので｣
｢あ〜、なるほどね。確かにAは少しややこしい過去を持っているからね｣
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作者名：暁月 | 作成日時：2018年9月30日 0時
