報告書 NO.02 ページ3
またエルヴィン団長やってるよ
Aは途方に暮れていた。Aがこの光景を見るのは3回目
厳密に言えば、壇上の隅から見た2回と、今回ので合計3回
チラリと横にたっている同期を見れば目には薄らと涙が広がっていた。
あぁ、この人もすぐに居なくなってしまう人だな
ならば、この直ぐに消えてしまう命を、自分の手で救うことが出来るのなら。
Aは進んで、密かに"調査兵団"で進められている班に所属しようと考えた。
一通りの入団式を済ませて、新たな宿舎に向かえば、先程の広場にいた人数の3分の1が居なくなっていた。
「今年は46か…ぼちぼちって所かな」
「やぁ、久しぶり」
Aに声をかけたのは調査兵団分隊長のハンジ・ゾエ。変わり者集団と呼ばれている調査兵団の中で、群を抜いて変わり者、いや、変人と呼ばれている。本人は特に気にしていない
「君、上位10名には行ったんだってね?」
「私もそこは謎なのですが、まぁ有難いことに」
「憲兵に行ってしまうかと冷や冷やしたさぁ
まぁ、取り敢えず。"正式"な入団おめでとう」
「ありがとうございます」
「そうそう、エルヴィンからの伝言を伝えに来たんだ
明日の早朝、団長室で話があるから来いとさ」
「例の件ですか?」
「そんな所だろうね」
それじゃ仕事がたーんまりとのこっているから、と言いハンジは自室へと戻って行った。
Aも少し疲れたから、謎は残ったままだが一先ず寝る事にした
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3回扉をノックすれば、部屋の中から聞き慣れた声が聞こえてきた。1つ深呼吸をして、ゆっくり扉を開ければ、書類の山に襲われているエルヴィンの姿が。
「おはようございます」
「あぁ、おはよう。早速で悪いのだが、そこに置いてある資料に目を通しておいてくれ」
「わかりました」
所々角の折れた紙は恐らくハンジが畳んだものだろうと、直感的に分かった。
そして、この字体はエルヴィンのものでも、ハンジのものでもないとAはすぐに分かった
「どうした?」
「あっ、いえなにもありません」
「なんだ、俺の字は読めねぇってのか?」
扉は少し荒々しく開け放たれ、そこに立っていた者がそう言い捨てた。男性にしては小柄な方だがAよりかはいくらか高い
兵士が尊敬の眼差しで見る、リヴァイであった。相変わらず仏頂面かましてるなぁ、なんて口が裂けても言えない。言ったらAの明日はないだろう
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作者名:暁月 | 作成日時:2018年9月30日 0時