戦闘!魔王マールド ページ7
｢ふっ…！｣
東矢は宙へ浮き上がり、一気に飛行して魔王との距離と詰める。
その銃からは星の光が溢れ出ている。
｢流石に、それくらいは対処できるな｣
しかし魔王は冷静に右腕を振るう。
するとそこから炎が噴き出て、灼熱の壁となり東矢の行く手を阻む。
｢押し通る｣
しかし東矢はその壁をすり抜け、更に加速する。
｢…ほぉ、ならこれはどうだ？｣
左手を突き出せば、眩い閃光が迸り、鋭い電光となって東矢に襲い来る。
｢ッ…！｣
しかし、東矢は止まらない。
一瞬彼の姿がぶれ、気付けば眼前まで迫っている。
｢…!?｣
｢はあっ!｣
放たれた拳と顔面の間にバリアが生成され、甲高い音が響く。
その一瞬の硬直の隙に、魔王がバックステップをとった。
｢…成程、瞬間移動か｣
｢まぁ、そうだな｣
今度は東矢が飛び上がり、銃を構えた。
その口径に光が集まっていく。
星々を吸い込むブラックホールのように、光がどんどん吸い込まれていく。
｢…へぇ｣
魔王もまた、弓矢をつがえる。
巨大な燃え盛る矢を具現化し、その弓を引く。
｢“ダスト･トレイル”｣
｢…はあっ！｣
天から放たれた星は次第に分かれ、さしずめ流星群がごとく降り注ぐ。
一方で大地から放たれた紅蓮の炎も分裂し、大地の噴火のように突き上げる。
双方からの怒涛の連撃が相殺を繰り返し、うち残ったいくつかがそれぞれの元へ飛来する。
｢チッ…｣
東矢が紅蓮の矢をもう一発の星で打ち落とす。
｢…強い、な｣
魔王の眼前に迫る流れ星は仁王立ちする彼の眼前で薄い障壁に阻まれ消滅する。
｢オラァッ！｣
一瞬でその眼前まで迫った東矢の拳が、魔王の掌底に止められる。
そのままゼロ距離での殴り合いが始まる。
顎を狙い打てば、左手に逸らされ右フックが飛んでくる。
即座に背後に回り拳を振り下ろせば、ノールックの背面蹴りが飛んでくる。
ならばと空いた腹部に足を突き出せば、勢いそのままに放たれた踵落としと交錯し、互いの体を弾く。
｢…かてぇな…｣
東矢の脛が痛む。
いくらアーマーで守られていても、それごとダメージが貫く強い衝撃、それも弁慶の泣き所へ正確に打ち込まれれば流石に痛い。
苦笑いを浮かべながら、魔王を見やる。
じっとこちらを見つめてくる様はどこか気味悪く、絶対の自信と余裕を感じられる。
一方で仄かな優しさを感じた気がした。
銃に光を集め、解き放つ。
しかしそれは魔王の振るう電撃の拳に粉砕される。
…勇者の挑戦は、まだ始まったばかりである。
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クロロフィル＠リーフィア狂/あるりーす(プロフ) - 朱欄さん» ありがとうございます！これからも更新頑張りますね！ (2023年1月14日 20時) (
レス) id: c1253398fc (このIDを非表示/違反報告)
朱欄(プロフ) - Banana is Kami(作品最高です!キャラデザがすごく好きです!特にワイドちゃんがかわいい←あ、星押しときますn(() (2023年1月14日 20時) (レス) @page3 id: efb6a7397d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ：http
作成日時：2022年12月29日 21時
