第40話 ページ42
おそ松side
走って松野家に着くと、全員で二階の子供部屋に入った。
俺がゆっくりカラ松を降ろしきったのを見計らってトド松が口を開いた。
ト「ねぇ、死の遣いっておそ松兄さんのことだよね?ルイって名前の殺し屋。」
お「…あぁ、そうだよ。俺は今まで数え切れない程の人を殺してきた。」
チ「何で…」
お「俺は…お前らに置いていかれたのが嫌だった。そのとき思い出したんだ。…東郷に言われた言葉が。」
ト「東郷ってあの下宿人の!?」
お「そうだ。…俺はあいつに言われたんだ。お前には人を殺すのに十分な能力がある、って。」
その時、一松がフラリと立ち上がると俺の頬を思いっきり殴った。
口の中を噛んでしまったのかして、血の味がした。
一「何で…何でそんなこと黙ってたんだよ!?何で俺らの言葉を信じないで、東郷なんて奴の言葉を信じたんだよ!?」
殴られた頬よりも心のほうが痛いと感じる俺。
強く握りすぎた拳の間から血がポタポタと垂れているチョロ松。
床に崩れ落ちた一松。
それを支える十四松。
カラ松の頭を優しく撫でているトド松。
この全員が嗚咽も漏らさずに泣いていた。
目を閉じてたら泣いていることすら分からないほど静かに。
そんな静寂を破ったのは眠り続けていた次男だ。
カ「ん……」
ト「あっ…」
カ「んん…?あぁ、おはようチョロ松。」
ト「ちょっと!?こんなに可愛い僕をクソダサ兄さんと間違えないでよ!」
チ「おい、ドライモンスター!!いい加減にしろよ!?(怒)」
ト「ホントのことでしょ?ww」
カ「あ、悪い。トド松だったか。今までよくチョロ松に起こされてたからつい…」
ト「もぉ!(`^´*)」
俺の弟たちが笑っていた。
昔は当たり前だったこの風景は、本当に懐かしかった。
俺は、この幸せをもう少しで失うところだった。
…なら、この景色は残しておこう。
俺は、一人でも大丈夫だから。
だから……
お「お兄様を置いてくなよ!」
お前らは笑ってろ。
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千陽(プロフ) - 七瀬彩七さん» 七瀬彩七様→応援ありがとうございます!!他の作品もよろしくお願いします!m(__)m (2018年1月3日 23時) (レス) id: c425a80858 (このIDを非表示/違反報告)
七瀬彩七(プロフ) - 面白いです。更新頑張って下さい。応援します。 (2018年1月3日 11時) (携帯から) (レス) id: 9eede2b342 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千陽 | 作成日時:2017年8月28日 13時